ナイアシンフラッシュは体に良くない
ナイアシンは元々ビタミンB3とも呼ばれ、代謝を高める働きや、肌をきれいにするなどの効果がうたわれていたので、特に美容を意識する女性からサプリメントとして摂取されるケースが多くありました。
ところが最近はこういった従来の目的とは異なった使い方も見られるようになっています。
それがナイアシンフラッシュと言われる現象です。
ナイアシンフラッシュとは、ナイアシンを過剰に摂取することで下記のような状態になることを指しています。
体が温かくなったように感じる
皮膚がピリピリする
これらについて
代謝が高まったから見られる良い現象
ナイアシン欠乏の状態が改善されたために見られる現象
こういった思い込みからナイアシンフラッシュ自体を良い反応だと考える傾向が高まっているようです。
中には、肌のピリピリする感覚などを楽しむためにナイアシンのサプリメントを摂取するという、完全に目的が健康とは異なる方向に向かってしまっている愛好者もいます。
ナイアシンフラッシュは副作用
ナイアシンフラッシュは、ナイアシンを過剰摂取した場合の副作用です。
ナイアシンを過剰に摂取すると、血管拡張作用があるので、血流が一時的に増えます。
この結果として、代謝が高まることで体がポカポカするように感じたり、肌がピリ付くように感じます。
肌の弱い人などは肌が赤くなったり、かゆくなってかきむしってしまうケースも少なくありません。
ナイアシンフラッシュが体にとって有益な反応だとしているサイトなどは大体が個人運営のブログ(ここもそうなんですが・・・)、あるいはサプリメントを紹介する記事や会社のHPになっています。
それらにも科学的な根拠は乏しく、健康被害のリスクと天秤にかけてお勧めできるものとはとても思えません。
ナイアシンフラッシュを経験した人の実例
今回ナイアシンフラッシュをお題にしたのは、僕のフットサル仲間が「ナイアシンの摂り過ぎで体中に発疹が出たので休みます」という連絡をしてきたことが発端になっています。
健康オタクの友人で、体中に蕁麻疹のようなものが出ているにも関わらず
「これはナイアシンフラッシュが起こっているからで、これを乗り越えられれば健康になれる」と本人が熱く語ってくれたのですが、これで納得できるかというとそんなことないですよね・・・・
本人は周囲の心配をよそに、かきむしってしまいただれた肌を診てもらいに皮膚科に通っています。
健康になるための行動で通院という本末転倒さ。
そもそもナイアシンは耐容上限量が定められている栄養素です。
耐容上限量が設定されているということは過剰摂取が健康被害につながるということになりますし、こういった数字を決めている食事摂取基準は科学的な根拠のあるものです。
ただ、ナイアシンはサプリメントとして安価であり、儲けるために売るというのはあまり得策ではありません。
恐らく、流行の裏側には実際に欠乏症の方が、ナイアシンのサプリメントで体調が改善したという例から、自分の体感を伝えたところ、誰にでもその結果が出ると誤解されてしまったというあたりではないかと思います。
まとめ
日本人にありがちな考え方として
体に良いものはたくさん摂取するほど健康になれると勘違いしてしまいます。
ナイアシンは体内で合成される分もあります。
不足すればペラグラなど分かりやすい症状が出る栄養素なので、特に体調不良がなければサプリメントでナイアシンフラッシュのような過剰摂取を起こす必要はないと言えます。