熱中症と気温の関連性 昔よりも気温は高くなっているのか

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コンクリート

熱中症の増加、気温は本当に昔より高くなっているのか?

夏場の熱中症の話題についてはもはや風物詩のようになりつつあります。
30年くらい前までは、夏場に熱中症のような症状に陥る人はいましたが、ここまで多くの人にその症状が出ていれば、昔から熱中症についてもっと強く対策が練られていたはずです。
確かに昔の夏はここまで暑いという印象ではありませんでした。
では、実際に気温が上がったことが熱中症の増加と関連があるのか?
今回はこの点について堀り下げていきます。

気温は高くなっている

気象庁が2018626日に公開した「ヒートアイランド監視報告2017」の内容では
東京ではこの100年間の間に年間での平均気温が3.2度上がっている。
特に上昇が目立つのが最低気温の4.4度。
最高気温は1.7度上がっている。
このように実際に気温も上がってきています。
最も上昇率が高いのは高度成長期と言われる1950年~1970年くらいをピークとしています。
その後はジリジリとほんの少しずつ上昇しているという感じです。

気温上昇の原因

では、気温が上昇している原因はなんでしょうか?
ここに高度経済成長期との関連性が見えてきます。

気温上昇の理由1:排気ガス、排熱の増加

高度経済成長期以降、車の数が増え、工場の数が増え、各家庭どころか、最近では各部屋にエアコンが設置されている。
これらに共通する点として、外に排熱を行っていることがあります。
エアコンと室外機の関係が分かりやすいところで、エアコンをつけると室内は冷やされますが、エアコンの熱については室外機を通して外に出されます。
夏に動いている室外機の前を通ると熱気がすごいのはこのためです。
こういった、熱を外へ出す仕組みが多くなったことが、気温の上昇の原因の一つだと考えられています。

気温上昇の理由2:コンクリートの増加

開発に伴って山は崩され、木は伐採され、そこへ工場が出来たりコンクリートで舗装された道路ができたりします。
コンクリートは熱を吸収しやすく、その熱を逃がしにくいという特徴があります。
熱しやすく、冷めにくい、松岡修造さんのような感じです。
ただ、コンクリートのこの暑さには松岡修造さんと違ってデメリットがあります。
それは夏場の日差しが弱くなってきた時間であっても、昼間のうちに蓄えた熱を逃がさないので、いつまでも地表の温度が下がらない、というものです。
実はこれが夏場の最低温度が上がっている原因になります。
今ほどコンクリートで覆われていなかった時代には、昼が熱くても、夕方以降はその熱を地面が放出していくので、夏は扇風機だけで十分に眠れるという日も多くありました。
ですが、コンクリートが増えれば増えるほど、夜になっても気温が下がりにくい、朝でも暑いという状況が作られていきます。
コンクリートに覆われた地球は、真夏でも厚い洋服を着ているようなものです。

気温上昇の理由3:高層ビル、マンションの増加

更に、近年は地面だけでなく、空高い建物までも増えてきています。
これにもコンクリートなど使用されているわけで、更に冷えにくい環境が作られていっています。

気温上昇の理由4:緑の減少

年々ジャングルが面積減少しているように、世界規模の課題として緑の減少があります。
植物には熱を蒸発させる働きがあります。
二酸化炭素を酸素に変える働きもあるので、オゾンホールの問題ともリンクして考えられることもあります。
今後は更に発展途上国の開発が進むことで、緑が減少して、コンクリートは増えていく一方でしょう。
夏の暑さに人間が慣れるのが先か、夏は外に出られない環境が出来上がってしまうのが先か、というチキンレースの様相を呈しつつあります。

熱中症につながる気温上昇の理由 まとめ

このように夏の気温は実際に高くなっています。
更に深刻なのは、最低気温が上がり続けていることで、夜でもエアコンが止められない。
熱帯夜が増え続けていくということです。
熱中症が増えたことで、気温に対する興味は一般的になりつつあります。
ただ、一方で気温が上がる原因については興味がない人も多くいますし、興味を持っても、僕がエアコンを使用しないようにしたところで、ほとんど影響がないばかりか余計な熱中症患者を増やすことにもなりかねない・・・・
人類の将来を考えると、何かしないといけないのですが、ここまで根の深い問題になると、国レベルで何か方針を出さないと変えられないところまで来ていると思います。
今、個人で出来ることは熱中症にならないための自己防衛というくらいでしょうか。
子ども達の時代にはどんな気温の夏になってしまうのでしょう?
外に出られない時代も近いのかもしれません。