筋肉をつけると動きが悪くなる?
昔から日本で言われているこの理論
合っているのか、間違っているのかという両極端な視点からではなく。
総合的に見ていきましょう。
運動の都合に合わせた筋肉を
まず最初に、
僕のように週末メインの趣味としてスポーツをする場合には、筋肉をがっつりつけてもそんなに悪影響は無いです。
実際に僕も1年で5kg(脂肪込みですが)増えましたが、むしろ走ることは速くなりました。
筋肉を上半身につけすぎたとしても、現状のバランスが保てれば恐らく問題はないでしょう。
ただし、これには相手もそれなりだから、という条件もあるのですが(笑)
筋肉が動きの邪魔をすると考えられる部分
・行うスポーツや運動に不要な部分の筋肉を多くつける(つけすぎる)
・自分のプレースタイルに合わない筋肉のつけ方をする
実際はどのスポーツをするにしても完全に上半身の筋肉しか使用しない、あるいは下半身の筋肉は全く使用しないというものはほとんどないと思います。
そして、筋肉をつけた分だけ大きな力を発揮できるようになることも分かっています。
このため、基本的には筋肉を増やすことはパフォーマンスに悪影響を及ぼしにくいと言えます。
それでも、筋肉をつけることへの非が根強くある理由としては上記の2点を考慮せずに、とにかく筋肉を肥大させた場合が考慮されていることが大きいと思います。
簡単に言うとボディービルダーがサッカーや野球をするようなイメージを持っていることもあるかと思います。
実際日本トップレベルのビルダーさんが俊敏さを追求するスポーツに向いているかと言えば、もちろん不向きです。
クイックネスも向上しているでしょうが、それ以上に体重が増えた負荷、しかも全身が相当量の筋肉ですから、すごい速さ、というのは難しいところです。
そのため、特に急なターンを含む方向転換の速さは求めにくいところです。
ただし、そこらへんの週に1回くらい趣味で取り組んでいる草サッカーや草野球の人よりかは速く動ける可能性はかなり高いです。
つまりは、
競技の性質から考えると。
サッカーをするのだから、上半身は不要というわけではない。
でも、上半身ばかり鍛えてしまうと、クイックネスが失われる。
解決するためには下半身のパワーも高めて、スピードを維持できるところでバランスを取る必要がある。
個人のスタイルによる部分では
バランスを考えると背中はある程度の筋量が欲しくて、胸と腕はそこそこあれば大丈夫。
ただし、体格の良さを生かす人であれば胸をガッツリ鍛えて、少しクイックネスに難があっても問題ないスタイルにしても良い。
クイックネスがウリであれば、むしろ筋トレを最低限に抑えて、相手に触れられないようにプレーをしたって良いわけです。
むしろ付け焼刃で鍛えても、フィジカルの強い相手にはどちらにしても対抗できなかったりするので、どこにバランスをとるのかは大切です。
ベースボールでいうとイチロー選手は胸筋を基本的には鍛えないことを発言しています。
彼の振り子の動きの打法からすると確かに動きを阻害されてしまうのは分かります。
しかもイチロー選手のウリは長打力ではありませんから、長所を最大限に生かすためのバランスとして、胸筋は外していることは非常に納得のできる部分です。
そしてイチロー選手のすごいところは一度実際に胸筋を鍛えてみたことがあるという点です。
そのシーズンは途中まで不振で、途中から胸筋が落ちた頃に調子が上がったそうです。
プロスポーツ選手はシーズン中は高負荷のトレーニングが減るので、そこで、筋力のバランスが元に戻ってきて調子が上がったという例です。
自分で決めつけずにやってみる、という行動を起こせることがイチロー選手をあのレベルにまで押し上げているのだと思います。
イチロー選手は初動負荷トレーニングというものを導入して、筋肉の大きさやパワーを向上させるというよりも、滑らかに動かすという点を重視しています。
このように自分に合った体を作ることが、パフォーマンス向上のために重要であり、そういった点が以前はあまり熱心に考えられていなかったので、競技に不向きな体を作り上げて、「筋肉は不要だ」という結論に急いでしまった面もあります。
筋肉と運動パフォーマンスについてのまとめ
・筋肉をつける事はパフォーマンス向上につながりやすい
・競技特性上不要な場所ばかり鍛えることは好ましくない
・自分のプレースタイルや長所に噛み合った鍛え方にする
この点を考慮していれば、基本的に筋トレをすることは運動にとってプラスの側面が大きくなるでしょう。