お餅は喉に詰まりやすいが、その他食品にも注意
特に正月前後になるとお餅をのどに詰まらせて病院に搬送されるというニュースが多く報道されます。
こういったイメージからお餅は喉に詰まりやすい食材だから危険で、他の食材は比較的安全というイメージを持ちがちです。
ところが、年間を通してみるとこの図式はガラッと変わってしまいます。
窒息の原因の多くは不明
まずは消費者庁の平成30年に発表している窒息関連のデータを貼っておきます。
この資料の4ページ目に「事故要因別に見た高齢者の「ものが詰まる等」事故による 救急搬送者数」というデータがあります。
ここで最も救急搬送が多かった原因としては「食品であるが詳細不明なもの」となっています。
これは
- 具体的に食品名が分からない状態
- 単一の食品ではない
こういった理由から食品名を確定できないというものなので、今回の内容からは除外します。
除外した結果として最も搬送される人が多い食品は「お粥」となります。
これに続いてお餅、ごはんとなっていきます。
この結果から読み取れることはたくさんあります。
お餅関係の考察
お餅が最も発生件数が多いというわけではない。
お餅はお正月以外あまり食べる機会がない割りに発生件数が多い
まずこの2点について注目です。
お餅を年中食べる人は少数だと思います。
その中で、堂々の2位
やはり喉に詰まらせやすい食材であるということは否定できません。
お正月にニュースになる理由には注意喚起という点も含まれているのだと思います。
お粥が1位の理由
意外にも個別の食品での1位はお粥となっています。
お粥は風邪の時や手術後などに食べることもあることから
安全で体に優しいという印象を持ちますが、お粥が合わないという状態もあります。
特に何かを飲み込む能力が落ちた人にとって、水分の多い食品は鬼門です。
固形物と水分が異なるタイミングで喉に入り込むため、気道に詰まらせてしまったり、誤嚥して肺に食品が入り込むことで、誤嚥性肺炎などにつながることもあります。
食べにくい様子が見られるから、「とりあえずお粥」という弊害、お粥を食べている方自体が体調が悪いなど、食べるためのコンデションが整っていないという理由等がこの数字に表れているとも言えます。
ごはん上位の理由
お粥についての理由は書いた通りですが、ではごはんについてはどうでしょうか?
この理由は簡単で、
データを取っている日本で最も多く食べられているから
食べる機会が多ければ、事故になる確率も上がります。
ごはんが危ないというのではなくて、みんなで3食パンの生活を送ればここにはパンがランクインするでしょう。
打席数が多いのでヒット(この場合アウトなのですが)になる数も多い、ただ、打率については恐らく他の食品と変わらないか低いでしょう。
これらの情報から分かる事
窒息のリスクはどんな食品にもあるということが見えてきます。
そして、お餅など粘度の高いものは詰まりやすい。
特に高齢の方にとってはお餅を食べないからと安心しきれるというわけではなく、そしてお餅を食べる時にはせめて一人でなく、様子を見てくれる人は必要ということになります。
こういったデータはその裏側を少し知っておくことで有効に使える度合いがグッと増します。
今回はすごく簡単に説明しましたが、僕より詳しい人であれば、もっと有意義にこのデータを使って色んなことを読み取っていくでしょう。
単純な数字だけでなく、どうしてそうなるのかを考える、データの信ぴょう性について考えてみるという事が必要な時代にになってきたと言えます。