献立を作成する時に僕が気を付ける事
僕が仕事で献立作成をする時に気を付けていること、簡単にいうと個人的なこだわりということになりますが、少しは家庭や他の新人の栄養士さんには参考になる部分もあるんじゃないかとおもったので、少しだけですを書いていきます。
基本的には1ヶ月単位で作成を行います。
献立作成時にNGとしていること
気を付けるのは次の点です。
・当日あるいは2日続けて同じような食品はなるべく使用しない(野菜除く)
・同じ調理法に偏り過ぎない
・味付けも重ならないようにする
案外自分で作成している時には無意識に避けているので、敢えて考えるとパット思いつかないことが今発覚しました(笑)
ごく普通のことしか書いていないことに愕然としましたが、頭で分かっているのと、実際の献立に反映させられるかは別なので、気を付けて下さい。
献立作成時はすごい気を付けているつもりなのに、後でチェックしなおすと、「あれ?」となることは日常茶飯事とも言える頻度であります。
食品があまり重ならないようにする理由は簡単で、家庭で昼と夜に、じゃが芋の煮っ転がしが出てきたら「昼間の残りもの」という解釈をすると思います。
夕飯が、じゃが芋のカレー煮っ転がしになっていたら「昼間残り物のリメイク」といたところでしょうか?
これは実際にそうした場合はもちろんですが、敢えて新しく調理したとしても、食べる人から見れば使い回しになると想像するのは簡単だと思います。
随分遠回しになりましたが、要するに同じような食材を続けて使用すると、余りものを使い回しているという印象を相手に与えてしまいます。
給食ではそれは評価としてネガティブな物にしかなりません。
基本的に衛生上の観点から使い回す事はないから、という面と、献立のバリエーションが少ないという印象を与えてしまいます。
無理やりポジティブな要素を探そうとしましたが、これが節約だとしても、提供される側は喜ぶ要素にはならないでしょう。
総合的に見ても
手を抜いていると思われる可能性が高いと思います。
そんなことはない!
というアピールの意味も込めて、僕は同じような食材を続けて使用しないように気を付けています。
野菜は続けて使用してもOKの意味
きゅうり、玉ねぎ、人参あたりは、使用しないで献立作成をすること自体至難の業です。
しかも、色々な料理に入っていても当たり前、という食材であることから、食べる人も、あまり気にならないということなので、個人的には気にせず使用しています。
ただし、昼の主菜にも副菜にも・・という重複は避けています。
これには2つ理由があって、
1つはもちろん、同じ食材だらけだと印象が悪い(上記参照)という点
もう1つが重要で、特に給食では、きゅうりを主菜にも副菜にも使用するという時に、勘違いしてすべて主菜の切り方をしてしまう、などのようなミスにつながることがあるからです。
検品後、主菜用と副菜用に分けておいても、逆に使用されてしまったり(分量が違うので困る)、パートの方も厨房にいると思います。
なるべく分かりやすいのが一番です。
※もちろん家庭では、使い切るというよりは、数日中に上手に使い回すことが大切なことも多いので、ある程度重なっても、買った食材が悪くならないように気を付けた方が良いと思います。
同じ調理法に偏り過ぎない
月の献立を作成していると、どういうわけか無意識に調理法や味付けが重なってしまう事があります。
炒め料理、焼き料理に関しては一般的であることや、比較的好みに左右されにくい事から、食べる側も寛容に受け止めてくれる場合が多いですが、蒸す、煮る、揚げるという料理法だと、ちょっと続いたり、2日続くだけでも「またか」という印象を持たれることもあるので注意が必要です。
男性は比較的揚げ物に寛容ですが、蒸し料理はあっさりし過ぎなのか、続くと文句が出やすく、女性は揚げ物が続くと、もたれる料理であることと、カロリーを気にして(ちゃんと1食で計算して出してるんですが)嫌がる傾向が、経験的には多いです。
上手く、炒める、焼くをメインにしながら、他の調理法を入れ込んでいきましょう。
味付けが偏り過ぎないように
これは他とは少し毛色が違っていて
例えば醤油や砂糖は続いても日本人であるからか、あまり気にされません。
一方で同じ週にカレー味の何か、またはカレーとカレー味の何かしらなどが並ぶと週に2回だけであったとしても「最近カレー食べたばっかりな気がする」という声が聞かれるようになります。
和ではない調味料などは印象に残りやすいようです。
そして数日間の間隔があっても、昨日食べた感が残りがちです。
この辺りも気を付けられると良いと思います。
献立作成の注意点 その他
みそ料理の際には汁物はみそ汁ではなくてお澄ましにするなどを意識しています。
麺類の時に、ボリュームを増やしたくておにぎりなどをつけたことも昔はありましたが(手軽なので)、炭水化物感が満載なので、今ではデザートにしています。
もちろんこれも炭水化物(糖類)ですが、やはり印象が大きく違います。
満足感って結局そういう気分も含めてだと思うので、大切にしています。
おまけですが、このお澄ましと澄まし汁は基本的に同じものですが、「じる」の発音があまり好みではないので、僕はあえてお澄ましと表記しています。
芋煮汁とかは、その地域と歴史をリスペクトして、「じる」と言い切りますが(笑)
言い方が何通りがある場合は避ける程度ではある小さなこだわりです。
当日気が付いた際には
献立を作成していた時には気が付かなかったけれど、当日調理を始める時に「あれ?昨日のと似てる?」となってしまうことも稀にあります。
そういう時には、あまり献立をいじれないことが多いので、お皿と盛り付けで印象を変えるのが効果的です。(お皿が選択できる種類あることが必要ですが)
食材の重なりについては切り方を変える等。
見た目が変われば印象が変わり、印象が変われば、使い回し感は回避できます。
小さなことですが、こういった食べる側に立つという視点を持って、毎日の調理がただの作業にならないようにすることは必要ですし、やる側のやりがいにもつながるものです。