今後の給食現場が抱える悩みは人材不足と食材輸送

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食材配送トラック

給食現場の抱える悩みは調理の人材不足と食材業者

僕の働く法人では人材不足が慢性化してきています。

これを書いている現在は働く人の数は揃っていますが、働く職員の年齢などを考えるといつまでも安泰ということではないのは感じています。

 

世の中AIなどを取り入れることでの人材難不足解消がスタートしていますが、恐らくこういった取り組みが調理現場に来るにはまだまだ時間がかかるでしょう。

かといって人材募集をかけても、有効求人倍率を考慮すると簡単に次に働いてくれる方が見つかるわけでもありません。

 

食材を納品してくれる業者についても同様で、運送業はドライバー不足に悩まされています。

こうなると、ルートの見直しや利益の上がらないところとの槍土地を中止せざるを得ないということが起こってきます。

 

厨房で働く栄養士としてはこういった問題がいつ他人事から自分の事になるのか見当もつかないので心構えと対策について考えておくことは大切です。

今回は現在僕の行っている対応策などについて以下の2点について書いていきます。

  • 人材不足への対応
  • 納品会社が撤退した時の対応

 

厨房の抱える課題 ①人材不足

人材不足は深刻で、日本は観光資源を有効活用して、外国人観光客にお金を落としてもらうことに力を入れてきているので、そういった観光地へ調理の人材も流れていきます。

基本的に観光地の方が利益は上がりやすく、時給が良いためです。

 

こうなると都心や観光地以外の厨房や飲食店での人材確保はかなり困難になります。

そういった場合、今後厨房はどういった方向へ向かうのでしょうか

 

厨房の人材不足への対策として

人材といっても頭数だけではありません。

人が集まりにくければ、スキルの高い人が来にくいということでもあります。

このため、作業の一極集中や簡略化も厨房の向かう方向になります。

 

現在うちの法人が検討しているのはまさにこの2点についての未来で

  1. セントラルキッチンを作り人材はそこに集中させ、サテライトとなるキッチンは少数で回せる仕事量にする
  2. 温めるだけで提供できる商品など割合を増やすことで、スキルのないスタッフでも安全に作業を行うことができるようにする

 

すこし乱暴な言い方をしてしまうと、栄養管理を行った献立内容ではあるものの、提供までの調理の流れとしてはファミリーレストランのような形をとるという感じです。

ただ、味にブレがない、衛生的な安全性が高いという面を考えれば、様々な制約がある給食では有効な方法だと言えるのも確かです。

本当は手作りにこだわることなどもしたいところですが、こだわる日とそうでない日などをきっちり分けることも必要になってくるという心構えは持っておいても良いのかな、と個人的には考えています。

 

最近は冷凍食品などもかなりおいしくなってきました。

これは夫婦共働きの家庭で、調理時間をあまり取れない家庭が増えたことが皮肉にも厨房と同じ悩みを抱えることになったためですが、同じ課題があるのであれば有効な商品も同様なので、僕も少しずつ冷凍食品を使用する割合が増えてきています。

 

厨房の抱える課題 ②納品問題

運送業の人手不足だけを冒頭には書きましたが、個人商店などでは後継者不足による閉店も問題なります。

今まで取引していた業者が撤退するとなると、次がすんなり見つかるなら良いですが、最近は撤退する業者も他に紹介するところがないと悩むことがあるほどに根深い問題です。

 

僕の法人で、一社に総合的に発注をかけていた施設があるのですが、その業者が撤退することになって次の業者探しに右往左往しているところがあります。

八百屋や肉屋と異なり、様々な商品を扱っている業者になると、まったく同じカテゴリの商品を扱ってくれる業者を探すことも困難です。

 

納品問題の対策として

僕の施設では、どこか1社が撤退した場合にも火急の問題にならないように、数社の総合食品業者に発注を分散しています。

発注をかける相手が増えるほど手間になるのは確かですが、「どこに」「何を頼むか」をはっきりと決めておけば発注作業自体は意外と単純化できます。

 

更に似たような商品の取り扱いがあっても、「魚はこっちのほうがおいしい」「肉はこっちの方がモノが良い」という好みも加味できるので、個人的には業者を絞りすぎることのデメリットの方が気にかかります。

 

ここまで不安を煽っておいてなんですが

本当に困った場合にはインターネットで「総合食品会社」と調べるとたくさんの業者が出てくるので、コンタクトをとれば営業の方がすぐに連絡くれるので、何ともならないという事態は案外少ないです。

でも、本当に困ってからだと業者検討を十分に行う余裕がないので、余力のあるうち嘉新業者には目星をつけておくことをおすすめします。

新しい業者を見つける場合には撤退しにくい近場の会社から当たる方が良いでしょう。

 

現代の厨房が抱える問題点 まとめ

リスクを分散することも今後の厨房の方針としては重要になってきます。

昔はなかったリスクがどんどん出てきます。

昔は小売店跡取り問題に悩むこともなかったし、厨房人材もこんなに枯渇していませんでした・・・

時代時代に合わせた運営をしていくことも必要ということを痛感します。