ダイエットなどで起こる空腹のデメリット
ダイエットといえば満腹になってはいけないような感覚があります。
そしてファスティング(断食)のように消化器官を空にする、休ませるという方法があるので、空腹にすることを必要という専門家の方もいます。
では、空腹にはデメリットはないのでしょうか?
今回はこの部分について書いていきます。
空腹で起こるデメリット例
空腹のデメリット1:基礎代謝の低下
空腹になると、体はエネルギーの無駄遣いを避けないといけない状態になります。
食事が体に入って来ない環境でのエネルギーの無駄遣いは餓死につながるので、生命維持のための方法として基礎代謝を下げます。
分かりやすい所だと、体温が少し低くなります。
このように少しずつ節約するので、実はエネルギー消費を抑えて痩せにくくなってしまいます。
空腹のデメリット2:低血糖で起こる集中力の低下
糖質を摂取することで体内の血糖値が上がり、それをインスリンで下げて落ち着かせるというのが体内で起こる血糖値の上下なのですが、最後の食事後インスリンで下がった血糖値が下がりっぱなしになります。
低血糖の症状に倦怠感や集中力の低下、酷くなると意識障害までありますが、このうち軽い症状が出てボーっとする状態くらいは比較的なりやすいので注意が必要です。
そして更に注意が必要なのは、低血糖の状態で人工甘味料を摂取する事です。
人工甘味料は確かにカロリーがないのですが、脳が甘さを認識した時点でインスリンは分泌されてしまうことが分かっています。
こうなると、ただでさえ低い血糖値を更に下げる結果になるため、危険な状態になる可能性が出てきます。
ダイエット時に食べずに人工甘味料入りの飲料を飲む事はありがちな反面、結構危ない事だったりします。
空腹時デメリット3:食後血糖値が一気に上がる
空腹時間が長すぎる事で血糖値が大きく下がっているため、特に糖質を摂取した際に血糖値が通常よりも一気に高くなります。
こうなると血糖値を下げるインスリンをたくさん分泌して血糖値を下げようという働きが起ります。
ちなみにインスリンは血糖値を下がる働きをしてくれる唯一のホルモンであり、非常に重要なのですが、もうひとつの働きに脂肪の合成があります。
このため、あまり過剰にインスリンを出してしまうと、低血糖のリスク向上と共に体脂肪を増やしやすくなってしまいます。
このため、相撲の力士は1日2食にして、効果的に体脂肪の合成を行うという合理的な方法を取っています。
こう考えると朝のうちに少し血糖値を上げておく目的で朝食を食べるというのは、太りにくい体作りの面でメリットがあるとも言えます(糖質制限時は別ですが)
この血糖値が低い状態から糖質を摂取することで、血糖値が急上昇するする現象を血糖スパイクといいます。
そのデメリットの詳細については以下の記事にも書いています。
>>>血糖スパイクは血糖値が正常と言われていても起こるリスク
空腹のデメリット4:筋肉を分解してしまう
体に食べ物が入って来ない分はたんぱく質やエネルギーを体の中のもので賄わないといけなくなります。
この際にたんぱく質(血中アミノ酸)は筋肉を分解して作り出します。
しかもエネルギーを作り出すにも筋肉を分解したたんぱく質を作りだす事も行われます(糖新生)
筋肉が減る事はスポーツをしない人でも、日常生活に少しずつ影響が特に高齢になった頃に出てきます。(→ロコモティブシンドローム参照)
今後は老後の寝たきり防止、健康寿命の延長のために、筋肉が重要視されるようになると思います。
そういった面で過剰に空腹になる事はできれば避けたいところです。
実際にボディビルダーの方々は空腹にならないようにこまめに食事やプロテインを摂取しています。
筋肉を守るための努力と言えます。
まとめと注意点 長期の空腹が続く断食は注意が必要
飽食の時代と呼ばれ、実際にうちの子供も食べるものに困った経験が無く、お腹が空いて辛い・・・という感覚が分からない為、食事についての重要性が全く分かっていません。
そういった時代の流れからは、空腹の重要性も十分に理解できます。
一時的なものであれば、体が食べ物を求めているサインとして空腹は重要な働きをしてくれているのですが、それを意思の力で無理矢理ねじ伏せてのダイエットは長い期間になってくると弊害がでてきます。
特に絶食は注意するべきで避けるべき状態です。
最近はファスティングダイエットでもきちんとビタミンやミネラルなどの摂取を考慮しながら進められます。
これは健康面の配慮でもありますが、水以外は摂取しない等のかなり行き過ぎた断食は、体の持つ消化吸収機能を数日でも弱くしてしまいます。
急に脂のあるものを食べると消化不良によってお腹を壊してしまったり・・・
何事も適宜が良いということでしょう。