筋膜と筋膜リリースの基礎知識
筋膜は実は厳密に定義することが難しく、分類などはまだまだ検討の余地があります。
一方で筋膜リリースなどのような言葉が先に流行してしまったので、「全身のコリ(凝り)の原因となる物」というニュアンスが現在のところの「筋膜」の表すところとなっています。
今回はそういった背景から厳密にということは難しいので、ざっくりとこの筋膜とそれぞれのコリの関係など書いていきます。
筋膜について
上記の通り
実はまだ細かい定義や分類がしっかりしていません。
現在テレビや情報誌、インターネットで情報の流れている筋膜については
筋肉を覆う膜のようなもの、筋肉に対するスパッツやウエットスーツのようなものと考えてもらえると分かりやすいと思います。
筋膜が注目された理由
肩こりなどで、いくら筋肉をほぐしても、筋膜が固いままだと、筋肉が伸びることができないので、コリが解消されない、あるいは解消しにくい。
解消されても次の日にはまた元の状態に戻ってしまう。
こういった根本的な解決にならない部分の原因が筋膜にあり、筋膜を良い状態にする必要があるという点で注目されています。
コリや痛みの状態を改善するためには筋膜をリリース(伸ば)して、中の筋肉もろとも解放知る必要がある。
という点についての情報提供が一般化されてきています。
筋膜が肩こりの原因となる?
筋膜も筋肉と同様に同じ姿勢を取り続けたりすることで、縮んでしまい、シワができます。
こうなると包まれている中の筋肉も一緒に縮んでしまうので、肩こりや痛みという形で、その影響が表れてきます。
この縮んだ状態を伸ばす、ほぐすことを筋膜リリースと言い、コリの解消方法として最近では注目を浴びています。
筋膜の縮まる理由
上記の同じ姿勢を続けることの他に、水分の不足があります。
筋膜はコラーゲンでできていて、そのほとんどが水分によって構成されています
この水分量が減少することで筋膜はその弾力を失うので、縮みやすく、コリや痛みを感じやすくなります。
筋膜が縮むと痛みにつながる理由
筋膜が縮んで身体が縮こまった状態で、体を動かすと、パツパツになったシャツを引っ張るかの如く様々な部位にテンション(負担)がかかります。
つねると痛いように、こういった縮こまった状態を無理やり動かすと痛みに繋がります。
パツパツのシャツよりも少し余裕のあるサイズのシャツの方が動きやすいというイメージです。
柔軟性を失ってしまい、他の部位と癒着した(くっつくような形になった)部分は痛みを発生させることもあり、この点をトリガーポイントと呼びます。
筋膜リリースは特別なものではない
では、今までは筋膜の概念がなかったから、対処が何もされていなかったのかというとそんなことはありません。
ストレッチ、マッサージ、針やお灸など、こういった方法で取り除かれる痛みに関しては、これらの行動が筋膜リリースとしての働きをしていたことによって改善されていた可能性があります。
最近はこの筋膜リリース用に体に当ててコロコロする道具(フォームローラー)は多く販売されています。
これをコロコロすることで筋膜をほぐすのですが、注意点もあります。
痛みやコリの原因が本当に筋膜なのか?
これは非常に重要です。
外科の先生から聞いた話ですが、痛みの原因が実は炎症だったのに、勘違いして一生懸命コロコロと刺激していた、状態を悪化させてから通院してくる人が一定数いるということでした。
炎症は安静にしたり、患部に刺激を与えないことが治すポイントです。
積極的に患部に刺激を与える方法では悪化させてしまうことも仕方のないところです。
まずは痛みの原因をはっきりと通院して判明させてから行うことが大切です。
肩こりも何か他の病気が陰に隠れていることもありますから、あまりにもひどい場合や長く続く際には一度通院して、本当にただの肩こりなのかなど、はっきりさせることで、改善策を決めていくことが大切です。
筋膜と筋膜リリースのまとめ
筋膜や筋膜リリースについてはまだまだ一般的になって時間が経っていないので、今後はより体に負担にならない改善策も出てくる気がしています。
文中でコロコロと表現している物はフォームローラーなどの名称で販売さえていますが、きちんとやると案外痛いので購入する前にはしっかりとした調べなどして、自分に合っていそうか確認してからにすると良いでしょう。
同じ姿勢を続け過ぎないこと、水分をしっかり摂取することなど、基本的な原因については生活習慣を見直して、そもそも肩こりになりづらい生活を身につけるということも良い方法だと思います。