ダイエットの味方? 褐色脂肪細胞
褐色脂肪細胞は少し前に流行したダイエットのキーワードです。
この褐色脂肪細胞を活性化させることで痩せると言われていました。
今回は褐色脂肪細胞について簡単に説明し、どうして最近は耳にしなくなったのかを書いていきます。
褐色脂肪細胞とは?
褐色脂肪細胞は、いわゆる体脂肪(白色脂肪細胞)を取り込み、燃焼させる働きがあります。
このため、ダイエットする際にはこの褐色脂肪細胞を活性化させることが重要だとして、一時期テレビやマスコミで活性化のアレコレを報道していました。
この褐色脂肪細胞の特徴として、白色脂肪細胞のように全身に分布しているわけではなく、特定の部位に飲み存在しているということがあります。
- 首周辺
- 脊髄周辺
- 肩・肩甲骨周辺
- 脇の下
こういった箇所にある褐色脂肪細胞が周囲の白色脂肪細胞を取り込んで燃焼させるので、その働きはヒーターなどに例えられました。
褐色細胞の働きを活性化させるには
- 温冷浴など、褐色細胞のある位置を交互に温めたり冷やしりする
- 肩甲骨回りのストレッチや運動を行い、刺激を与える
こういった方法が推奨されています。
当時はそれこそ星の数ほど様々な方法論が出ていましたが、(あれを食べると良いとか、悪いとか)今となってはこういった基本的な部分を抑えておけば良いと思います。
実際に褐色脂肪細胞には白色脂肪細胞を取り込んで燃やす働きはあります。
それがどうしてあまり耳にしなくなったのかは以下の項目に続きます。
褐色脂肪細胞で騒がなくなった理由
これは非常にシンプルで
思ったよりも効果がなかった
というものです。
褐色細胞による脂肪燃焼でのダイエットは、摂取カロリーが消費エネルギーを上回るようにバランスを取るという基本などを抑えた上で、行うサポート的に行うと効果があるかも、というものなのですが
やはり報道が加熱すると
「それだけやっていれば手軽に痩せられる」という勘違いにもつながってしまい、それを期待した人からは「効果がない」として切り捨てられていきました。
人間我儘なもので、
「楽して痩せたい」
その方法を日夜探し回っています。
そして目新しいものがあると今まで流行していたものを捨ててそちらに移っていきます。
伝える側も新しいダイエット方法はあれば、そちらの方がインパクトは強いので、そういったものを大々的に取り上げます。
褐色細胞もそんなダイエットの流行に飲まれていった方法の一つです。
褐色細胞でのダイエットの効果が薄かった理由
では、どうして期待されたほどの効果を挙げることができなかったのでしょうか?
これはそもそも期待が大きすぎたという点があります。
褐色脂肪細胞は白色脂肪細胞(体脂肪)を燃やしてエネルギーを作り出します。
このため、消費カロリーを増やし、痩せることが期待されたのですが、褐色脂肪細胞が作り出すエネルギー量は全体の20%です。
残りの80%は筋肉や腎臓・肝臓でほとんどが生産されています。
20%の部分をがんばってダイエット・・・というのは難しかったというのが期待されたほどの効果を挙げられなかった理由です。
褐色脂肪細胞を多く持つ動物はクマやリスという冬眠する動物で、褐色細胞がおおいことで冬眠中も体温などを維持することができます。
冬眠を行わない人間はそもそも褐色細胞の量が少なく(成人で40gと言われている)、ダイエットというほどの効果にはつながらなかったと言えます。
まとめ
ダイエットは流行的なものであり、その流行は一定のスパンで繰り返します。
このため、恐らく再び褐色脂肪細胞にスポットが当たる日も来ます。
これはその他のあらゆるダイエットについても同様のことが言えます。
正しい知識を持って
どのくらいの期待度を持つのか
単独で効果を挙げるほどのものなのか
自分で考えて取り入れていくことで、情報過多の時代に飲み込まれず、上手く対処していきましょう。