人工芝によってプレーしやすさは変わる
僕はいわゆる週末フットサラーです。
土日をメインに週に1~2回程度プレーするという形で、それなりに長い期間活動しています。
基本は体育館など屋内でのプレーをしていますが、たまに友人などに招かれて外のコートでプレーする事があります。
最近は外のコートの多くが人工芝になっていて、僕らのような芝に憧れながら砂の校庭しかサッカーをする環境のなかった世代にとっては体育館よりも外の方が人気があったりするようです。
そんな外コートでプレーする際に、体育館のイメージとそんなに変わらずにプレーできるコートと、良く分からないけれどすごくプレーしにくいコートがある事に気が付きました。
恐らく、これはコートと僕との相性によるものだと思いますが、こういったコートにどんな違いがあるのか書いていきます。
芝の種類と撒いてあるもの
芝には短いものと長いものがあります。
近年人工芝は性能的(という言葉で良いのか不明ですが)に優れてきており、個人的には長さでプレー感が変わることはあまりありません。
ただ、かなり昔の長い人工芝を使用しているコートではボールが止まったり、柔らかすぎて足元のふわふわ勘が気になった経験はあります。
人工芝の寿命を考えるとそんな古いものは張り替えられていると思うので、今やそんなに不便なものは無いのではないかと予想しています。
次に人工芝に撒いてあるものです。
今回の話のメインはこちらになります。
まず、何も撒かずに人工芝だけで勝負しているコート
これは特に問題ないです。
芝の特性そのままにプレーできると思います。
次にゴムチップを撒いてあるコート
こちらも個人的にはプレーに支障は全くありません。
チップでふわっとした感じやグリップが保証されている印象です。
唯一の難点は家にまで付いてくることです。
シューズに張り付くし、ジャージにも知らないうちにくっついています。
特に着ているものは選択前に一度しっかりチップが落ちているか確認した方が良いです。
ゴムチップが黒くて目立つこともあり、特に洗濯をする際や干す際に嫁からクレームが来ます(笑)
最後に砂を撒いてあるコート
これが個人的に最も問題のあるコートだということが最近分かりました。
何かプレーしづらいと思ったら、足元滑る滑る。
そして砂は粒子が細かいので、コート内に均一にならないため、同じコート内であっても場所が異なれば滑り具合にも差があります。
ボールにもまとわりつくのでボールも気持ち滑りやすくなります。
これが個人的に致命的です。
そもそもボールはゴムや皮で滑りにくいようにできています。
フットサルシューズもグリップがしっかりできるようにできています。
これら競技特性から全く逆を行く砂入り人工芝コートはボールコントロール時に滑るなど、足元でボールを触る僕のようなプレーヤーにとっては致命的な難点を抱えていると言えます。
僕が思う砂入り人工芝の難点
- 滑る
- 止まりづらい
- ボールも滑るのでテクニックが生かしづらい
- グリップが安定しないのでケガをしやすい
砂入り人工芝の問題点 ①滑る
というだけでもかなりプレーに影響が出ます。
例えば、僕は足がそんなに速いわけではないのですが、砂入り人工芝のコートだとDF時に相手が加速してからでも追い付くことができます。
これはドリブルするプレーヤーの加速する最初の一歩が若干滑っている為だと思います。
体育館なら置いていかれるというくらい遅れて対応しても間に合います。
このため、DFは全力で走る必要がないので滑りにくく、ドリブルする方はスピードに乗りたいので滑るという不平等な状態での1対1が頻発します。
正直砂入り人工芝コートで抜かれた記憶がない・・・
砂入り人工芝の問題点 ②止まりづらい
滑る上に止まらないという事は怖くて最高速が出せないという意味でもあります。
出すことはできてもケガのリスクは大きくなるでしょう。
そもそも最高速まで出さなくても、滑るコートで止まるという行為は関節などに過度な負担をかけます。
良く砂入り人工芝は体に優しいと言いますが、実際には全く逆ではないかと思っています。
実際僕の友人でケガの多いプレーヤーはそれなりの割合で砂入り人工芝でプレーしています。
砂入り人工芝の問題点 ③ボールも滑る
ボールに砂が付着するので、ボールもところどころ滑るようになります。
フットサルはコートの狭さから 自分の体からボールが離れすぎると致命的な場面が多いことから、足の裏でトラップする等、きちんと足元にボールを収める必要性があります。
その肝心の足の裏とボールに砂が付いた結果として、きっちり止まらない事が多くなります。
これはテクニックに自信がある人ほど苦痛に感じるのではないでしょうか?
実際砂入り人工芝のコートに慣れている人のプレーを見ると足の裏はあまり使わず、インサイドでトラップする人も多く見られました。
競技特性よりも芝への適応を優先したのだと思いますが、なんとなくチグハグな印象は拭えません。
砂入り人工芝の問題点 ④グリップが安定しないのでケガをしやすい
これは後にも詳しく書きますが、本来減速すべき場面で減速しきれない
止まるべき所で止まれない
こういった点がケガにつながるのは必然です。
砂入り人工芝でケガをするもう一つの理由
滑る・止まらない
この2つが砂入り人工芝の問題点であり、ケガにもつながるわけですが、これらの要因はその他のケガも誘発させます。
体をぶつけあう場面でお互いブレーキが利かない
フットサルも体をぶつけあうシーンがあります。
サッカーほど激しくない傾向はありますが、体をぶつけるプレーを得意とする人もいます。
そんな中で滑る・止まりづらいというのは場面によっては致命的になります。
普段なら避けられるのに・・・という事も良く見られます。
そしてイメージと異なる衝突はお互いのケガにつながる可能性が高くなります。
こういったリスクを警戒して、この手のコートではボールを奪われても無理をしないという人もいます。
このやり方が正しいかはともかく、そういった判断さえもせざるを得ないコートもあるということです。
砂入り人工芝が好きな人も・・・
僕は砂入り人工芝のコートが非常に苦手ですが、好きだという人もいます。
そういった人は
- 滑りながらタックルできる
- 止まりすぎるより怖くない
こんな感じのことを言っていました。
確かに後半歩足を延ばしたいという時などは少し滑る方が伸ばしやすいのかもしれません。
止まりすぎるのは確かに怖いですが、個人的には滑るという止まらない怖さに比べれば・・・・と思うのですが、この辺は人それぞれなのでしょう。
実際に砂入り人工芝の問題点として
かつてプロテニスプレーヤーとして世界4位にだった伊達公子さんが修士論文でコートについて書いており(以前論文のURLを貼っていましたが、現在はエラーになるので削除)その中で砂入り人工芝コートでは世界で戦える選手は育たないということから、実際に他のコートと比較した際に滑る事、止まらない事を書いていて、僕の悩んでいたこととのハマり具合から、「これが答えだったのか!」と目から鱗だったのを覚えています。
この論文では他にもバウンドが低くなること、イレギュラーバウンドが多いことなど、様々な競技に置いて弊害になるであろう内容についても書かれています。
実際に、プロの練習・試合環境ではテニスだけでなく、サッカーでも砂入り人工芝コートは採用されていません。
もしも砂入り人工芝が宣伝通りに体に負担が少ないのであれば、せめて練習環境に使うくらいはあると思います。
それすらないという現状から察することができるのはケガに関しても確かな根拠などないという現実です。
それでも砂入り人工芝が重宝される理由
では、どうして砂入り人工芝のコートはこんなに普及しているのでしょうか?
それは維持・管理のしやすさとコストの安さからです。
人工芝に砂を入れることで摩擦がへり、人工芝への負担が少なくなることからがへたり難くなり、長く使用することができます。
また人工芝は素材によって伸び縮みしますが、これを防ぐことにもなります。
さらに、地面の上に敷いた人工芝がめくれないようにする重りの働きもします。
プレーヤーに優しいのではなくて、管理する人にとって優しいというのが本当の所のようです。
悩みどころ
友人のチームで砂入り人工芝コートをメインに使用している所があるのです・・・
それなりに声をかけてくれるのですが、ここまでの内容を踏まえ、ちゃんとプレーできない上にケガのリスクも上がることを踏まえた上で尚参加するのかは悩んでいます。
実際他のコートをお勧めしたいところなのですが、その場所に思い入れがあるチームだそうで・・・
今の所、砂入り人工芝だと自分のプレースタイルに合わないから、と断ろうと思っていますが、ちょっと申し訳ない気もしています。
まとめ
今回はほぼ砂入り人工芝に絞った内容になっていますが、他にもコートを選ぶポイントはたくさんあります。
下が硬いと腰を痛めたりもしますし、転んだ時に大きなケガにもつながるので、激しいプレーを好むチームや、エンジョイでみんなで転んだりしながら楽しんでますというチームだと、不向きということもあります。
一方で下が硬くても芝がきちんとしていればボールがきれいに転がるので、足元の上手い人達の集まりでは重宝されることもあります。
自分達に合ったコートを探して、コートによるストレスの無い状態でプレーできると良いと思います。
こういった部分にストレスを感じてしまうと、僕のようにそこのコートに行きたくないので、そこのチームへの参加を見送るなんてこともあるため、意外と注意が必要です。