栄養改善の決め手はアプリ?
アメリカで行われた栄養改善のための介入実験より
栄養状態が悪い方を対象にアメリカで行われた研究で興味深い報告がありました。
対象者は以下の共通点がある人が集められました。
①野菜、果物の摂取が少ない
②飽和脂肪酸の摂取が多い
③運動量が少なく、休日はテレビやパソコンの前に座っている
この条件を満たした上で性別、年齢、学歴など、様々な対象を選んで行っています。
実施方法
まずはスマホで自分の状態を分かるようにし、食べたものや運動量を報告できるアプリをいれます。
そして、この報告を事前の取り決め通り行い、その際に出たアドバイス通りに実践できた場合には毎週(少ないです)報酬を出す、という方法です。
この実験をモニターするコーチは、最初は毎週電話でアドバイスを行い、その後は頻度を減らしていきます。
結果として
ほとんどの対象者について大幅な改善が出たと報告しています。
野菜や果物の摂取量は増え、飽和脂肪酸は適正な摂取量となり、運動時間を確保できるようになったということです。
このことから分かるのは、
・身近なスマホを利用した手軽なアプリを使い
・専門家のサポートを受け
・インセンティブ(報酬)を受けることができる
この条件がそろうことで、対象となる人の栄養状態は改善がしやすいということが分かりました。
アプリについては日本でも健康関連のものが毎日どんどん出てきています。
一方で難しいのは専門家のサポートを受けられる環境の準備と、インセンティブです。
専門家を用意するとなると個人でも、またはこちらが会社など大きな規模で健康的な取り組みを行うにしても、お金がかかります。
そしてインセンティブについても、まったく金銭的な価値がないものだと難しいのは、今までのダイエットで十分に分かっていることです
簡単な例で挙げると、ダイエットすれば手に入るカッコよさや美しさよりも食べる欲求が強くなって失敗してしまう。
こういった報酬では弱いので、何らかの金銭的な価値があったり、物欲的な部分が満たされることで成功率が上がることが今回の研究から(残念ながら)見えてきた部分です。
健康増進のための新たな方法 まとめ
ダイエットや栄養改善、食事制限は本人の食事状況や行動の変容なくしては成功しないものです。
この変容を促す為に色々な手法や取り組みがあるにはあるのですが、今回の研究から、やはり報酬が最も簡単で意欲的に変容を促せそうだということが分かりました。
心に訴え抱えるよりもお金で解決
と、言葉にするとなんとも言えない気分になってしまいますが、この部分を肝に銘じながら、それ以外でも行動の変容を促せるような努力もしていきたいところです。