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高血圧と塩分の関係
高血圧の現状
高血圧は心疾患虚血性、脳卒中、腎不全などの原因となるので、予防・改善を昔から言われています。
今の所、高血圧の原因については特定できない「本態性高血圧」と特定できている「二次性高血圧」に分かれていますが、原因が分からない本態性高血圧の方が圧倒的に多くなっています。
二次性高血圧は原因が分かっているものなので、対応は比較的容易です。
本態性高血圧の原因について
本態性高血圧は原因と推測される因子に
遺伝・ストレス・加齢・食生活・喫煙・肥満・飲酒など、様々な要因が絡み合って出現するという説が出てきています(モザイク説)
原因が特定できないだけに、対応が服薬であったり、減塩であったりとそれ単一で効果を狙うというよりも手広くという感覚があります。
治療・改善
多数を占める本態性高血圧については原因が分からない、あるいは複数の絡み合ったものであるため
塩分に関わる食事習慣だけでなく、運動・ストレスの発散・禁煙。服薬など、塩分制限のみで何とかしようとせずに様々な対応を行うことが大切です。
この辺は医師の診断を仰ぐ必要があります。
塩分制限の是非
少し前に
高血圧に減塩は効果が無いのではないかという話が出たことがあります。
この理由としては
・食塩感受性という食塩を摂取する事で血圧に影響が出る人
・食塩非感受性という食塩を摂取しても血圧に影響が出ない人
この2パターンがあることが分かったからです。
日本人には食塩非感受性の人の方が割合としては多いという結果が出たことで、高血圧に減塩は効果が無いのではないという話が出ました。
もちろん食塩感受性の方もいるわけですが。
世界的には血圧以前に減塩の方向
とは言っても、やはり減塩が必要な方は一定数いること、食塩の過剰摂取は他にも腎臓への負担などの面でも影響があることから、世界的には減塩の必要性は今でも大きく扱われています。
根本的な塩分についての勘違いに注意
気を付けたいのは、適切な量の塩分摂取は必要であるという事
そもそも体にとって有用な働きがあるから・必要な物だからこそ、塩分のある食べ物を「美味しい」と感じるようになった部分があります。(この辺は昔の糖質と同じく)
塩分は体の浸透圧について重要な働きがあります。
塩分が必要量摂取されなければ血流が悪くなります。
そしてさまざまなデメリットが生じます。
つまり、塩分摂取自体や減塩を「必要か、不要か」という2択にしてしまうことはあまり正確でなく、適正な量の摂取が必要です。
現在日本人が平均的に10g以上の食塩を摂取している所を、理想としては6g以下に、と厚生労働省で定めています。
塩分は、今摂取している量が必要とされる量を大きく超えているから減塩、つまりは減らすという表現が強くなってしまいます。
ここが「塩がとにかく悪者」という誤解を与えがちだと感じます。
アフリカ系の全く塩分を取らない民族では高血圧がないそうです。
これに関しても、個人的な見解ではありますが「塩分取らないから高血圧が無いのだから、やはり血圧と塩分の関係は絶対だ!」という安易な考え方をせずに、その他の生活習慣を考慮した上での判断が重要になると思います。
もちろん遺伝や、民族のルーツ自体の関連性もあるでしょう。
日本人がそこまで塩分を摂取しなければ命に係わりますし。
塩分はナトリウムという形でも摂取がある
食塩など、塩そのものを制限しても、食べ物からナトリウムと言う形で摂取する分があります。
減塩する際にも、そうでない時にも、頭の片隅の入れて置きたい情報です。
高血圧と塩分についてのまとめ
今までは
高血圧だから塩分を控える、美味しくない食事を我慢して生きるという感覚でしたが、
正確には高血圧だから塩分摂取量は適正に、その他の生活習慣も健康的に見直す。
そういった感覚になってくると、高血圧になったとしても、それを改善したらすごく健康的に元気に生活できるようになった、なんて逆転現象も見られるようになるかもしれません。(糖尿病だと、生活改善したらすごく健康的になったという話は良くあります)
塩気の少ない料理を味気ないと感じる部分はありますが、最近はハーブも充実しているし、ちょっと多国籍な料理など取り入れると、楽しい食生活も守れる部分があります。
高血圧は痛くもかゆくもないことから、健康診断などで指摘されても通院せずに放っておきがちですが、将来的な健康を維持するためにも、通院して対応することをおススメします。