高たんぱく質食での注意点
最近は糖質を控えてたんぱく質と脂質を十分に摂取しましょうという流れができてきました。
高たんぱく質食を行う上で、肉は多く食べることになりますが、あまりにも食事における肉の量が増えると避けられない問題もあります。
今回は肉を非常にたくさん食べる際の注意点やリスクについて書いていきます。
肉食は飽和脂肪酸を多く含むことの問題点
肉は高たんぱく質ですが、一方で飽和脂肪酸も多く含んでいます。
この飽和脂肪酸を多く摂取することでの問題点として以下のような点があります。
・(悪玉)コレステロールを増やす
・腸内フローラを乱す
これらによる悪影響は以前より言われていて、様々なリスクに関与しています。
飽和脂肪酸の問題点1:(悪玉)コレステロールを増やす
実は悪玉コレステロールという概念が日本以外にはないのですが・・・
要するに血中のコレステロールが増えすぎることで血管が狭くなったり、詰まりやすくなる原因となることが課題となります。
特に悪玉コレステロールは末端の狭い血管を詰まらせる原因となり易いため、善玉コレステロールよりも悪いものとして日本では捉えられています。
本当は悪玉コレステロールも少なすぎると問題なので、名称がちょっとかわいそうではあります。
アメリカでは日本よりも肉食の傾向が強いことからも、心不全などの原因になるものとして高たんぱく質の食事について、過剰にならないように警笛を鳴らしています。
飽和脂肪酸の問題点2:腸内フローラを乱す
腸内環境である腸内フローラも肉食によって腸内の悪玉菌が増えることでバランスを崩してしまいます。
腸内フローラは善玉菌:悪玉菌:日和見菌のバランスは2:1:7が良いとされています。
肉食によって悪玉菌が増えすぎると、バランスが崩れてしまい、日和見菌が悪玉菌のように働いてしまう(優勢な方につくのが日和見菌の特徴)ため、ちょっとしたバランスの崩れが大きな変化となる場合があります。
腸内フローラは体全体の調子や病気を司ると言われています。
そのバランスを崩してしまわないように注意が必要です。
飽和脂肪酸過多の対策
飽和脂肪酸対策1:肉ではなく魚を利用する
魚の脂は不飽和脂肪酸が主なものとなります。
青魚に代表されるDHAやEPAはむしろ血流を良くして血栓を予防する働きをしてくれます。
肉の替わりに魚を増やすことで、血管が狭くなることや詰まることを予防できます。
飽和脂肪酸対策2:野菜を食べる
食物繊維は腸内で善玉菌のエサになります。
このためたんぱく質摂取量が増えれば増えるほど、野菜の必要量は増えていきます。
飽和脂肪酸対策3:発酵食品を食べる
発酵食品には乳酸菌を始めとした善玉菌が含まれます。
腸内環境を整えるためにも、発酵食品である納豆やキムチを摂取しましょう。
ヨーグルトはたんぱく質も同時に摂取することができるので、有効に利用しましょう。
飽和脂肪酸対策4:トランス脂肪酸を避ける
マーガリンやショートニングに代表されるトランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やして、善玉コレステロールを減らしてしまうことが分かっています。
飽和脂肪酸対策5:脂の少ない部位を食べる
飽和脂肪酸は脂なので、脂の少ない部位や、鶏肉を食べることで、他の部位を食べるよりも摂取量自体を減らすことができます。
美味しそうな脂の乗った部分を避けるのは勿体ないと思ってしまいますが、我慢のしどころです。
高たんぱく質と飽和脂肪酸 まとめ
糖質は食べ過ぎることで肥満になりやすいという特徴があり。
たんぱく質は脂質とセットになっている場合が多いことと、過剰な摂取は腎臓に負担がかかることなどが課題となります。
今回は高たんぱく質と表題しながらも、内容的には脂肪、特に飽和脂肪酸の過剰摂取についての内容になっていますから、それぞれ3大栄養素については適量の摂取こそが健康につながると言う面が分かっていただけると思います。
○○が身体に良いからとにかくたくさん食べるべき!
というのではなくて、何事もほどほどが一番ということが分かります。