練習でできる事が本番ではできない現象について 相手がいる競技における正しいフォームの在り方について考える

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練習でできるのに試合などではできない現象

今回は少し運動の専門的な部分の話になります。

僕がサッカーをしていて、子供の指導現場も覗ける環境にいることから、視点はサッカーを見る感じになりますが、おそらく他のスポーツでもそんなに変わらないのではないかと思います。

練習では上手にできるのに、本番ではうまくいかない・・・

そんな経験はないでしょうか?

僕はたくさんあります・・・

その原因についてここでは2つに絞って書いていきます。

①本番ではあまりない(ありえない)設定での練習

これが意外に多く見受けられます。

例えば、サッカーで、2人組になってインサイドパスを交換する良くある風景

実はこれも試合ではほとんどない状況です。

味方が自分の方をまっすぐ向いている

まっすぐ来たパスをまっすぐ返す

トラップミスしなければ十分な姿勢でパスができる

これらの環境が、試合中あまり見られないためです。

敵がいる試合であれば、このパス交換だと、どちらかが完全に相手を背負うことになります。

試合であれば、どちらかは半身でボールを受けるのではないでしょうか。

しかも、お互いボールを足元に入れて交換します。

ボールを受ける際に全く動かないで受けることができる場面は試合ではごく少ない状況です。

ウォーミングアップとしてはアリですが、これでパスがうまくなるのかというと

「足のどこに当たるとどこに飛んでいくか」を知るためのトレーニングという感じであって、これを繰り返しても、そんなにパスは上手くなりません。

試合では、

動いている味方に合せる(タイミング、パスのスピード)

相手の届かないところにパスを出す

十分に良い姿勢でない状態でもパスを出す必要がある

基本だけでもこの3つの要素が必要です。

更にレベルアップすると

受けた味方が次のプレーに入りやすいパスを出す

など、気の利いた部分も求められたりします。

こういったあまりにも練習と本番の環境が異なる練習を行いながら

「練習の成果が出ない・・」

というのはある程度当然のことであって、試合に近い状況設定ができていないということになります。

リフティングのうまい子がイコールサッカーがうまいと言われないのはこういった理由もあります。(どっちもうまい子ももちろんいます)

これは本番でボールを敢えて浮かせてノープレッシャーで長い時間いられる環境というのがほとんどない状況であるためです。

本番で使う(使える)技術を身につけるためには、本番さながらの環境設定をして、練習と試合を限りなく近づけることが大切になります。

そうすれば練習の質も高まりますし、試合でも練習のように振るまうことができる可能性は高くなります。

パスであれば、味方が動いて受ける、敵の設定があるなど、試合に向けての練習であれば取り入れたいところです。

②正しいフォームにこだわりすぎる

基本として最初に正しいフォームを覚えることは否定しません。

でも、それに固執してしまうと、本番で困ることもあります。

サッカーではインサイドパスをする際に、

軸足はボールの横に

軸足のつま先は蹴りたい方向に向ける

蹴り足は少しテイクバックを取って(ここは最近は違うかも)

フォロースルーもまっすぐ

こんな感じに教わると思います。

でも、実際にこの通りにしか蹴ることができないとしたらどうでしょうか?

というか実は友人にいるのですが

軸足で蹴る方向がバレてしまう

蹴り足を後ろに振ると蹴るタイミングも分かってしまう

相手が「せーの」でボールを簡単に取ることができてしまうのです。

このスキルは本番で使えるものでしょうか?

正しいフォームは基本ではあるものの、基本ゆえに対策も練られている場合があります。

要は狙ったところにボールが飛べば良いので、あまりにもその過程にこだわりすぎないという割り切りも必要だと思います。

実際に世界的なプレーヤー程、あえて軸足を蹴りたい方向と異なる方向に向けて相手を惑わせていたりします。

蹴る方向も敢えて見ません。

これは基本を無視した悪いプレーでしょうか?

そうではないと思います。

結果としてやりたいことができているのであれば、「みんなと同じやり方」にこだわる必要はないのかもしれません。

まとめ

指導をする際に基本を押さえるということは安心感があります。

昔からある練習メニューについては、昔からあるんだから、良いものだろうという思い込みもあります。

こういった部分について

これで本当に良いのだろうか?

と、考えることが大切だと思います。

基本練習は苦手なのに、試合では結果を出せるプレーヤーもいます。

あまりにも習慣や何でも一通りできなければいけないという思い込みなどを少なくできると、様々なスポーツで本番に弱い子を減らすことができると思います。