速く動くために筋肉は不要というのは間違い
以前とある有名マンガで、筋肉をつけると動きが鈍くなるから・・・というような表現をしているのを見たことがありますが、そういった認識の人も少なくないのだろうと感じた事をふと思い出しました。
そこで今回は速く動くためにも筋肉は必須と言う話を書いていこうと思います。
筋肉をつけた方が速く動ける
まず、基本的に筋肉が表面積辺りで発揮できる最大の力には限界があります。
つまりは発揮できる力を大きくしようと思えば必然的に筋肉の大きいが必要になるという事です。
これを前提として
走るという運動は地面を強く蹴ることで進むことです。
この時に太ももの裏側の筋肉は強いほど大きい力を発揮できるので、速く走ることができます。
馬力の違いですね。
このため、オリンピックのような世界規模の大会で短距離走に出場する選手は筋肉質です。
日本人もようやくここに気が付いたことが、最近の記録の向上につながっている一因と言えます。
そんな短距離走のスペシャリストである彼らが上半身もしっかりしているのは、もちろんウエイトトレーニングで鍛えているからです。
走るという動作でも、腕の振りは重要です。
本番は力を入れて振るわけではありませんが、素早く振るという行動にも筋力は必要ですし、上半身の安定性がないとせっかく発生した力をまっすぐゴール方向に向けることができません。
こういった側面からも素早く動くことにこそ筋トレが効果的であることが分かります。
ちなみに止まるという動作にも太ももの前の筋肉を使います。
ここでも大きな力を発揮できれば、急停止の動きができますから、様々なスポーツにおいて重要な動きを筋肉が作り出すと言えます。
このように走る・止まるという基本的な動作の他にも、ターンのような方向転換や、スピードの緩急という点でも筋肉は重要となります。
走ることで鍛えられる筋肉では不足
走るという行為でも当然筋肉は鍛えられますが、ある程度筋肉が増えてからは、更に筋肉を大きくするために、今まで以上の負荷をかける必要が出てきます。
こういった場合には単純に走るだけでは負荷が十分ではないので、下半身のウエイトトレーニングを行ったり、走る際に後ろから引っ張るなどの負荷をかけてもらうことで負荷を増やし、発揮できる力を大きくしていきます。
筋肉の重さと発揮できる力の関係
筋肉は重たいものです。
このため冒頭のように「余計な筋肉は・・・」という表現に繋がりやすいのだと思います。
確かに筋肉をつけすぎて遅くなる場合もあります。
例えば、速く走りたいのに、
上半身のトレーニングばかり行って、上半身は筋量が圧倒的に増えたけれど、下半身は以前と変わらない、と言う場合
下半身で発揮できる力は変わらないのに上半身に重りが増えた形になってしまい、ほとんどの場合タイムは遅くなるでしょう。
基本的にはどこをどう伸ばしたいかに基づいてトレーニングを行う、あるいは全身にかけてしっかりとトレーニングを行うことで、こういった問題は予防できます。
速く走りたい、方向転換など速くしたいのであれば、下半身を重点的にトレーニングして、上半身もそこに負荷されるべきで、これが逆になると筋肉がついても狙った目的が達成できないという事があります。
全身を均等に鍛えることで、大体の場合こういった問題は予防できます。
かなりのレベル(ベンチプレス150kgオーバーとか)になるまでは、きっと大丈夫。
速く走るには筋肉が必要 まとめ
冒頭のように筋トレは体を大きくする⇒動きが鈍くなるという誤解があります。
実際のところは筋肉が大きくなる⇒発揮できる力が大きくなり速く動ける、となります。
こういった誤解は特に若い世代に多いので、こういった運動と肉体に関する学習は若い世代から積極的に行われることが本来は望ましいことです。