マクドナルドのハッピーセットは子ども向けのセットという位置づけですが、その内容などには疑問が残る部分も少なくありません。
今回はこのハッピーセットが本当にハッピーなものなのか掘り下げていきます。
ハッピーセットの内容
まずはハッピーセットの内容を確認していきましょう
以下のメイン・サイド・ドリンクから一つずつ選択することができます。
メイン
メインは次の中から選びます。 メインによって価格が少し変わるものもあります。
- ハンバーガー
- チーズバーガー
- プチパンケーキ
- マックナゲット(5ケ)
サイド
サイドメニューは手薄です
- マックポテト(S)
- スイートコーン
ドリンク
ドリンクについては少し健康を意識したものも含まれています。
- オレンジジュース
- リンゴジュース
- ミルク(牛乳)
- 爽健美茶
- 野菜ジュース
そして、この中に含まれてはいませんが、最大の特徴としておまけのおもちゃがあります。
子どもたちにとってはおもちゃありきで、ハンバーガーは二の次と言っても過言ではないでしょう。
ハッピーセットの栄養価
今回はオーソドックスに
ハンバーガー・ポテト・オレンジジュースの組み合わせで考えてみましょう。
以下の数字はマクドナルドのHPから引用しています。
エネルギー
ハンバーガー256㎉
ポテト225㎉
オレンジジュース94㎉
合計575㎉
カロリーとしては高めです。
運動量が少ないデスクワーカーなら大人でもこの量で足りるくらい。
ちなみに僕が現在作成している献立は大人向けですが、お昼は600㎉を一つの目安にしています。
子どもと言っても小学生高学年以上向けという印象で、小さなお子様については明らかにカロリーオーバーです。
実際に海外では貧困層がこういった安価・高カロリーなファーストフードなどで空腹をしのぐ影響から、貧困層での肥満が多くなっています。
日本でも毎日ハンバーガーや牛丼で済ませていたら同様の結果になります。
ちなみにポテトをコーンに変えるとコーンは56㎉なのでかなりヘルシーになります。
子どもがこの選択でコーンを選ぶ可能性はかなり低いという点は考慮すべきですが・・
選択の際に大人が介入する必要もあるのではないかと思います。
おもちゃは小さい子ども向けなのに、カロリーは大きめの子ども以上向けという矛盾は小さくない問題点と言えます。
その他栄養面での課題は?
野菜、食物繊維が足りない
特に食物繊維については野菜ジュースでも補給はできないので、お通じの気になる方は基本的にファーストフード店という選択肢を考え直す必要があります。
塩分が多い
外食の常なのですが、人間はおいしさの基準のひとつとしてナトリウムの存在を認識していることから濃いめの味付けになります。
やはり塩気の全くない食事は何か足りないと感じてしまうため、外食では健康的であることよりも美味しさを優先し、濃いめ・塩分が多めになるのは仕方のない部分でもあります。
実際にマクドナルドの商品は基本的に塩分多めになっているので、子どもが小さいうちから塩分の少ない食事に物足りなさを感じてしまう、正しい食習慣を身に着けるという点において、避けたい内容となっています。
栄養以外の問題点
栄養以外と言いつつ、栄養も絡んできてしまうのですが。
ハッピーセットの問題点として僕が思うのは
・子供向け商品としながらも、内容は大人の食べるハンバーガーと同じもの、ポテトもSサイズにしただけのものであり、子どものために特化している部分はない
つまりは、子供用の量でもなければ味付けでもないわけです。
何をもってハッピーなのかと聞きたい内容です。
・おもちゃで釣っている点
正直、子どもの多くはCMでおもちゃを見て、それ欲しさにマクドナルドに行きたいという仕組みです。
そこで子供の舌にマクドナルドの味を覚えさせるのは商業的には正しい方法ですが、それ以外の面ではあまり良い方法とは言えません。
実際に子どもの健康などへの影響、ブランドイメージを鑑みて、ディズニーがマクドナルドとの提携を破棄してします。
最近ハッピーセットのおまけにディズニー関連のものがないことをお気づきの方もいると思いますが、こういった背景があります。
僕は子どもに「おもちゃが欲しいならば、きちんとしたおもちゃを買うから、おもちゃ欲しさにハンバーガーを食べるのは違うよね」という話をしています。
大体あのおもちゃ2、3日で飽きてしまうし・・・
CMに違和感
土日朝の子ども向けテレビ番組の合間に、ハッピーセットのCMが流れます。
これは番組を見ている層とハッピーセットを購入する層の一致からマーケティングとしては正解なのですが、実は日本以外の国では子どもの目に留まる時間でのファーストフードのCMを禁止している国もいくつかあります。
しかもCMの内容も非常に微妙で
健康を意識しているアピールでしょうが、「野菜も食べよう」と言ってスィートコーンが映し出されるシーンがある(2020年現在)のですが、コーンは穀物であって分類上野菜ではありません。
食物繊維は含んでいるし、脂質が少ないのでポテトよりは断然おすすめできますが、コーンを野菜と勘違いさせる意図を持った作りには疑問を感じずにはいられません。
まとめ
なんだかんだと書いてきましたが、結局食べるかどうかの選択は個人が行うもので、「食べちゃダメ!」と言いたいわけではありません、
何を食べるのか選択する際にこういった情報も考慮した上で選ぶことが大切だと僕が思っているというだけの話です。
知らないで食べるか、知ったうえで食べるのか、似ているようで大きく違うでしょう。
たまには罪悪感をもちながらも体に悪いものを食べる事も人間らしさとも言えます。
あれがダメ、これがダメ、というよりも結局のところバランスです。
ファーストフードで乱れた分はどこかで取り戻せばよいとも言えます。