きざんだ食事が誤嚥を誘発する

スポンサーリンク
きざみ食が誤嚥を招く

きざみ食が誤嚥を助長する 飲み込みに課題が出た時に知っておきたい基本

昔は噛むことが難しくなってくると、食事を細かくきざんで提供するといういわゆる「きざみ食」が病院などでも一般的でしたが、最近はこのきざみ形態の食事について安全性が疑問視されています

今回はきざみ食と飲み込む能力の衰えについて書いていきます。

きざみ食が危険な理由

きざみ食を行う施設が減っている理由は何かというと

細かく切られた食材はそもそも細かくなっていることから口の中に入れて噛むことが困難で、結局丸のみしてしまう。

本来噛んで細かくした食材であれば、唾液と細かく噛まれた食材が混ざり合って、食塊という一つのまとまりになります。

このため、まとまった食材を飲み込むことになり、安全性が高まるのですが、予めきざまれたものを噛まずに飲み込んでしまうと、塊になっていないので口の中でばらけてしまい、飲み込むことも困難になります。

こういった状態のまま無理に飲み込むことで、本来胃に向かうはずの食べ物が、肺に落ちやすくなります。

そして肺がいつか炎症を起こすと誤嚥性肺炎を発症してしまうわけです。

きざんで誤嚥を防ぐ方法

確実ではありませんが、きざんだ食材に、市販のとろみ剤などでとろみをつけ、きざんだものをまとめることで、誤嚥を起こりにくくします。

ただ、とろみはゆるくても無意味になり、固いと喉に張り付いてしまうことから、安全な硬さにするまでに少し慣れが必要になることと、とろみでまとめても誤嚥してしまうことはある面からきざむこと自体が最近では推奨されていません。

きざみに変わるもの

きざみがダメならどうすれば良いのかというと、最近は病院や老人施設でソフト食、ゼリー食、ペースト(ミキサー)食など様々なものが出てきています。

基本的には全て一度ミキサーにかけて

ソフト食であれば、ムースに近い感じに仕上げて、舌と上顎だけでもつぶせる固さに仕上げ、ゼリー食であれば、名前の通りゼリー状に仕上げ、ペーストは対象となる方担わせてとろみ具合を調整することで、食事の安全性を高めます。

そして、さらに今後は、酵素の力で食材の見た目はそのまま、繊維などは酵素が切ってくれるので、スプーンで軽く押し潰せる固さにできる、という方法が出てきています。

今までの食形態についてはどんなに配慮しても見た目が変わってしまうという難点がありましたが、これであれば、見た目も変わらないので、外見の変化による食欲低下を防ぐこともできます。

飲み込みの能力低下は水分から始まる

飲み込むというと、食べ物を飲み込むのが困難になることで判明すると思われがとですが、実は水分を飲んだ時に俗に言う「器官に入る」という状態のムセ込みが、実は最初に現れることが多い兆候です。

特にムセて咳込んだ時に、水分を含んだような咳、乾いた空咳とは逆の感じの咳が出る時には、注意が必要です。

きざみ食と誤嚥について まとめ

高齢化社会と言われ、平均寿命も引き続き世界的に上位である日本では、こういった問題は今後さらに話題として取り上げられる機会が増えると考えられます。

今は誰かのための知識でも、いずれ自分の為の知識になる部分ですから、今のうちから少しずつ情報を集めていきたいところです。