特に高齢者に見られる誤嚥性肺炎のリスクと予防について

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肺炎の死亡率上昇について

高齢者の4人に1人が肺炎でなくなるという情報を聞いたことがあるでしょうか?

これは誤嚥性の肺炎であったり、加齢などで体が弱っての肺炎であったりと、食べる機能と免疫機能の弱くなったところが影響します。

近年では、ガンも早期発見であれば予後が良かったり、

老人であればガンになってもある程度進行が遅かったりと、

ガンでの死亡率が下がってきている事も、肺炎での死亡率が上がる理由になっています。

医学の進歩が肺炎での死亡率上昇につながっています。

実際に僕の祖母もガンはありましたが、90近い年齢だったので進行は非常に遅く、

医師からも寿命の方が先になると思うので、そのままにしておくことを勧められましたし、実際にそうなりました。

このように、様々な病気で死亡しにくくなったため、

機能的な部分の低下を原因として起りやすい肺炎での死亡率が高くなっているとも言えます。

僕の働く障害者施設では、障害のある人でも医学の進歩と共に寿命が伸びて高齢化してきていること、障害によって食べる機能に課題のある方もいることから、毎年誤嚥性肺炎については研修を行っているほどです。

誤嚥性肺炎とは

誤嚥性肺炎は、食べたものや飲み込んだものが、本来は食道を通り胃に落ちるのですが、誤って気道から肺に落ちてしまい、肺が炎症を起こすことで起こります。

本来空気は肺に、食べ物は胃に入っていきますが、これを分けるための弁の働きが弱くなることなど、様々な原因で起こります。

急いで食べた時に食べ物が変な所に入ってむせ込んだ経験は多くの人が経験があると思います。

若い人や体力のある人はその時にムセ込む(咳き込む)ことで、肺に異物が入らないように排除することができますが、高齢になったり、体力が落ちている人だと、十分な排除ができず、肺に少しずつ食べ物が溜まり、それがいつか腐敗して肺炎へとつながってしまいます。

誤嚥性肺炎の対応策として

誤嚥の特徴として、まず食べものではなく、落下速度の速い水分でのムセ込が見られるようになります。

ムセるというのは、食事中や水分摂取時に咳込むことなのですが、この時の咳に水分を含んだような感じがあれば誤嚥をしている可能性が高いです。

そのため、老人施設などでは水分摂取時に水分にとろみをつけて飲む事で、喉への落下速度を緩やかにして水分摂取するようにします。

ただし、トロミが強すぎると今度は喉の側面に張り付いてしまい危険になるので、トロミはあくまで、水分の落下速度を落とすために少しつける印象です。

食べものについては、きちんと噛むことができれば、食事が塊になるので、そこまで危険なことはありませんが、細かい食材(玉ねぎのみじん切りや挽肉など)は、意図せず喉に落ち込んでしまう事(丸のみ)があるので注意が必要です。

噛むことが難しい場合にはあらかじめ少しきざんでトロミを付けたり、ミキサーで水分状にしてからトロミを付けたり、ムース状やゼリーにしたりと、様々な加工を行う事で、食事の安全性を高めます。

とはいっても、どれだけ最善を尽くしても、誤嚥のある方はほんの少しずつ誤嚥をして、いずれ肺炎を発症します。

特に機能が衰えてくると、唾液すら誤嚥するようになるので、完全な防止策はありません。

この唾液の誤嚥の問題点としては、唾液中の細菌が肺に入り込んでしまうことがあります。

そのため、誤嚥の可能性のある方については、熱など、肺炎の疑いがある症状がみられた際、には早急に通院することが最も現実的な対応策となります、

肺炎の症状と風邪との関連性

症状についてはほとんど風邪と同様です。

そのため、風邪をこじらせたという表現がありますが

これは感覚的には風邪がひどくなった=肺炎

からきた表現だと思うのですが、実際は風邪と肺炎では原因がウイルスか細菌かという違いがあるので同一ではないです。

でも症状が似ているので、こういった誤解が生まれた部分もあるので、誤嚥のある人の風邪症状は肺炎を疑う、という雰囲気です。

通院してただの風邪であれば一安心(といってもケアは必要ですが)で、肺炎であれば状況次第では入院まであるというのが定石ですかね。

誤嚥性肺炎についてのまとめ

かなりザックリとではありますが誤嚥性肺炎についてまとめてみました。

この他にも飲み物を更にゼリー状にしたり、食事の形態もユニバーサルなものがあったりと、掘り下げていけばいくほど、広がっていく分野でもあり、様々な企業がこの解決と市場の広がりに興味を持って参入してきている所でもあります。

より安全な食事へのきっかけはあるいは誤嚥と肺炎によってもたらされるかもしれません。