GI(グリセミックインデックス)値の定着しないわけ
一時期健康食品などを中心に話題になったGI(グリセミックインデックス)という指標があります。
ところが最近はめっきり耳にしなくなってしまいました。
今回はこのGIについて説明と定着しないわけを書いていきます。
GI値とは
GI値とは、一定量の糖質を摂取した後の結腸地の上昇の程度を相対的に表したもので、Glycemic Indexというつづりになる指標です。
GI値が高い食品程食後の血糖値の上昇がしやすいことから、急激な血糖値の上昇を抑える目的で低GIの食品が一時期人気を集めていました。
このため、糖尿病の予防や改善に使用できる指標となるはずでしたが、そこまで大きな話題にはならずにここまで来てしまいました。
GI値が定着しない理由
では、血糖値に関連するGI値がなぜ定着しないのかというと。賛否両論が世界的な規模であるためです。
オーストラリアのようにGI値の使用に積極的な国もあれば、GI値自体の信用性をかなり低いと見ている国々もあります。
また、同じジャンルの食材でもそれぞれのGI値が大きく異なることから、そのすべてを覚えて使用することが難しいという面もあります。
一例として果物ではすいかが72、パイナップルが66と高い数字を示す一方、プルーンが15、チェリーは22とかなり少ない数字を示します。
このため、果物という括りにして使用することなど、手軽な運用が困難であるという面も定着しにくい一因となっています。
また、GI値は個人差や体調による影響も大きいため、今のところ日本の食事指導の場面で使用されることはほとんどありません。(その栄養士がよほどGI値好きならありえる)
低GI食品には意味がないか?
では、一般的に販売されている低GI食品などを摂取するメリットがないのかというとそうではありません。
やはり低GI食品の方が血糖値の上がりにくい面はあり、それは様々な臨床データとしても報告されているので、糖尿病予防のために低GI食品を大江に摂取する等の方法は比較的有効度の高いものと言えます。
特に野菜も低GI食品として有効なので、野菜を多く食べることなどにもつながりやすくなっています。
低GIという名称に捕らわれ過ぎずに、こういう食品が血糖値を上げやすいんだな、上げにくいんだな、という知識としての有用性は高いと個人的に考えています。
GI値のまとめ
今回の内容は、現時点で、というものになっています。
今後の研究報告などの中で、GI値が有効であることが実証されて、それを世界的に認める流れになれば、栄養指導や食事指導の場面でもGI値中心に行われる可能性も残されています。
今後の動向を見守りながら、今のところはGI値に縛られないくらいに考えていきましょう。