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重りを付けてスポーツの動作をすることは効果的でないことが多い
野球であれば重たいボールを投げる、サッカーは重たいボールを蹴る
あるいは体に巻いて使用するウエイトをつけてプレーをする
こういったトレーニングは少なからず昔からありましたが、最近では否定的に考えられることが多くあります。
今回はこういったスポーツの動作自体に負荷をかけるトレーニングのメリットやデメリットについて書いていきます。
重りを付けてスポーツ動作を行うことのデメリット
まず初めに、こういったスポーツの動作を行う際に重たいものを使用して行うことで起こるデメリットを2点にまとめていきます。
デメリット1:過剰な負荷が一部に集中し、ケガをする
これは野球のピッチャーに昔多かったケースです。
ピッチングフォームを行う際に重たいものを持って行ったり、強度の高い(高すぎる)ゴムチューブを何回も引くことによって、肩の小さい筋肉に負荷がかかりすぎる。
その結果として、肩の筋肉が炎症を起こし故障してしまう。
肩はウエイトトレーニングでも、ある程度気を遣って行う部位です。
そこまで高重量を扱う種目は少なく、回数を多めに行うことで鍛えます。
そして、ウエイトトレーニングは効率とケガのしにくさを追求したフォームがそれぞれ昔から用意されています。
これが、ケガのしやすさなどは考慮されていない「そのスポーツの動き」に取り入れられると、ケガの原因と鳴ってしまう理由です。
デメリット2:フォームが崩れる
軽いものを素早く動かすことと、重たいものを何とか少しでも動かす動きでは求められる動作が異なります。
野球のボールと砲丸投げのフォームは異なります。これはもちろん大げさな例えですが、重さが異なれば動きの最適解も変わってきます。
つまり、重たいボールを投げること、軽いボールを投げることに求められる動作は本人に自覚がなかったとしても異なっているということです。
重たいものを持って投げる動作の向上が、その競技のパフォーマンス向上に直結しないのはこういった部分です。
サッカーも同様で、重たいボールを無理やり蹴ろうとすると、上半身の力が必要になり、軽いボールの時には不要な部分まで使用したフォームになってしまいます。
このフォームが身についてしまうと、普段のフォームが崩れてしまうのは分かりやすいところです。
「ただパワーを付ける」という目的であれば、スポーツ動作と結び付けて取り入れる余地はありますが、そのパワーが競技力に反映されるかというと疑問です。
サッカーであれば、シュートフォームから実際にシュートをするまでの時間が短いほど相手は準備ができないので、効果的なシュートとなります。
ですが、重たいボールに慣れてしまうと、体全体でシュートフォームを取りに行くので、相手からかなり早い段階で「シュートをしてくる」ということが読まれてしまいます。
せっかくパワーが上がっても肝心のシュートが役に立たなくなってしまっては元も子もありません。
それぞれの競技で求められる動作と、それに重さを加えた動作では動きが異なって来るというのは知っておくべき知識です。
重さがあるのに無理やり元の動きを再現すると、過剰な負荷で上記のようにケガをしやすくなりるため、難しいところです。
デメリットのないケースもある
そもそも、スポーツの中の動作が負荷の高いものであったり、負荷の変動するものである場合には重さが効果を上げるケースもあります。
代表的なものにラグビーのスクラムなどがあります。
専用の道具を押してトレーニングを行うことが多いのですが、この時の道具に重さを足していくことは効果的と言えます。
これは
・本来のスクラムが力同士の押し合いである
・スクラムを組む相手によって負荷が変動する
こういった点から、元々重さを動かすことに重点を置いた動作であるためです。
スクラム自体がケガをしにくいようになど考えられている部分もあります。
力比べという場面ではその動作自体を鍛えることに効果があると言えます。
パワーアップしたい時にはどうするのか?
このt答えは単純で、ウエイトトレーニングを行うに限ります。
フォームやテクニック的な部分は普段の練習で、パワーについてはウエイトトレーニングで補うという方法が一般的です。
プロスポーツ選手が競技の練習以外でウエイトトレーニングをしている映像を見たことがあるのではないでしょうか?
プロの選手でも、この手順をシッカリと守っています。
パワーがどの程度重要かは競技と個人の特性によっても異なりますので、バランスを考慮しながら取り組んでいくことが大切です。
ウエイトトレーニングを推奨する理由としては、
・ウエイトトレーニングは筋肉を大きく強くすることが目的
・トレーニングはケガをしにくい動作が確立されている。
ケガをしにくく、効果的に筋肉をつけることで、運動のパフォーマンス向上につなげていこうという形です。
もちろんパワーがついてもそれだけで何とかなる種目の方が少ないので、それぞれの競技のトレーニングも継続することは前提になります。
おまけ
筋肉はその体積、辺りで発揮できる力の最大値が決まっています。
つまりは力のある人=筋肉の多い人です。
実は現実では漫画やアニメの主人公のように、細腕なのにすごいパワーがあるということは再現できないのです・・・
持っている筋肉の範囲内での最大値を上げることはできますが、それなら筋肉を大きくした方が余程近道ですし、最大値の上がり幅も比べるまでもありません。
筋量アップはそのくらい大事なことになります。
まとめ
その競技の動きを重いものを身に着けて行うと効果がありそうに思えますが、実は動きの質を下げることになり兼ねない上にケガをしやすくなるというのが今回の内容になります。
テクニックを磨くタイミング、パワーアップするためのタイミングをそれぞれ意識的に切り分けることで競技力向上に努めて行きましょう!