防災備蓄食はきちんとどんな場面で使用するか考えて購入する

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備蓄缶詰

僕は職場の防災備蓄担当で、マンションの防災委員でも備蓄について話し合いをする機会に恵まれているため、少し防災時の心構えについてできていると自負しています。

今回は家庭などで備蓄食料についてどのように想定すると良いのかを書いていきます。

防災備蓄品は使用する状況を具体的にイメージする

家が安全で家に居ながら食べる

家が崩れる危険性が無い場合には次のどれかを想定します。

場面① ライフラインが生きていて、ガス、電気、水道も使用できる

これが一番被害のない場合になります。

基本的にこれくらいの災害だと近所のコンビニも営業していると想定されるので、備蓄に手を出さなくても大丈夫かもしれません。

外へ出ることに困難があったとしても、ライフラインが生きていれば、冷蔵庫にある物などすべて通常通りに使用できるため、喫緊に食糧問題にはつながらないでしょう。

このため、このケースでは備蓄食料は何でも良いということになります。

場面② 電気、ガスが止まっている

最近の震災で最初に起こるのが、停電が起こり、安全面からガスの供給がストップすることです。

電気とガスが使用できない場合には、自宅で何が出来なくなるのかは事前に整理しておきましょう。

意外な盲点としてはオール電化にすることでガスが通っている場合でも、一切使用できなくなるケースです。

備えとしてはガスコンロを用意することで、火とお湯の確保は可能になりますが、家族分の何かを調理するにはガスコンロではパワー不足になります。

このため、停電、ガスの不通時には

加熱調理は備蓄食品のレトルトのようなお湯に入れるだけで温かくできるものくらいしか食べられないと想定されます。

その他は加熱の不要なものをそろえておきます。

加熱不要の物は基本的にオールマイティなものが多く、備蓄に向いています。

缶詰、レトルトパウチなど、種類も多くなっています。

アルファ米は水でも食べられるのですが、お湯と比べると格段に美味しくないので、事前に試食してみて、自宅に置くかどうか検討してみてください。

本当にお腹が空いていれば味は関係ないとはいえ、いざという時こそ、美味しいものを食べて元気を出したいということもあります。

場面③ 電気・ガス・水道が止まった場合

ガスコンロでお湯は沸かせますが、この場合、水道が止まっているので、水の確保が飲料水と共用になるペットボトルの物を使用することになります。

お湯も無駄遣いはできません。

このため、基本的には開けるだけで食べられる手軽なものが頼りになります。

うちのマンションも、簡単な備蓄は各家庭で行ってもらい、どうしてもという時だけ、非常用のビスケットを各階に用意して食べられるようにしています。

備蓄の基本として

以上の点から

備蓄の基本は開けるだけで食べられるもの中心

そしてライフラインが生きている時用に、少し温めると美味しく食べられるものを用意しておくというのが良いと思います。

加熱が必要な備蓄ばかりにしておくと、いきなりライフラインが全て止まった際に、食べられるものがないという状況になってしまいます。

家の安全性が不確かで避難所に行く場合

避難所でお湯をもらうことは困難です。

お湯は消毒用、あるいは赤ちゃんの粉ミルクなどに優先的に使用する傾向が高いので、避難所に食糧を持ち込む際には、やはり温めたりせずに簡単に食べられるものが好ましいです。

備蓄で水は最重要

水については多く保管しておくに越したことはありません。

飲料は勿論、生活用水、お湯を作るなど、非常時こそ水のありがたみを痛感させられるでしょう。

うちのマンションでは災害時に水道が生きていればバスタブに水を張って生活用水を確保するように促しています。

生活用水を確保できれば飲料水の使い道を減らすことができます。

備蓄ではないお菓子等が案外役に立つ

お菓子は賞味期限もそこそこ長く、糖質と脂質が多いのでエネルギー効率も高い

普段から口にするものなので安心感があると言う面で重宝します。

特に子どもがいる家庭では、子どもの緊張感を和らげるという効果も期待できますので、お菓子のストックを少ししておくということも意外と役に立ちます。

その他には、ガスと水道が生きていれば、カップスープは簡単に体温も維持できるので便利です。

単純に固形のコンソメスープの素でも良いかもしれません。

普段からこういったものを台所に置いておくことで、特別な防災食を購入しなくても非常時に食べるものを確保できる場合もあります。

そして、カップラーメン

僕はまだやったことがありませんが、水で食べられるそうです。

飲料水さえ確保しておけば一食分凌げそうです。

栄養士からのワンポイント

避難所などで問題になる事に

食糧が運ばれて来るようになるとエネルギーは十分に摂取できるようになるが、栄養価が偏るので、肌荒れなどが問題となります。

マルチビタミンやミネラル(安いやつでOK)を備蓄の中に入れるとこういった問題に対応できるので、余裕があればいれて置くと良いでしょう。

パックの物であればかさばりません。

飲むのに水は必要ですが。

防災備蓄 まとめ

この内容を書こうと思った理由が

実は、僕が4月から新しい職場に異動してきたのですが、備蓄倉庫を開けてみると

お湯がないと食べられない食糧ばかり!

一体どんな場面を想定していたのか不明ですが、施設に避難するほどの災害であれば、もっと状況が悪い時に即した内容にしないといけないだろう・・・

と、こういった施設でも状況の認識がきちんとされていないので、一般的にも知らない方が多いのではないかと考えて、この内容を書くに至りました。

備蓄食料は

こんな状況でも食べられるな

ということを考えながら購入していただければと思います。