関わらない栄養士としてのスタイル

スポンサーリンク
栄養士のスタイル

施設栄養士は状態の悪い人に多く関わる

僕は施設で働くタイプの栄養士ですが、正直あまり関わらない方が良い職種の人間といえます。

というのも、僕が関わるということは、その人の食事が非日常的なものに変わることを意味することが多いからです。

もちろん病気の都合上、すぐにでも食事に何かしらの対処をしないといけないこともあります。

機能的な問題から安全性を考慮して食事の形態を変えなければいけない事もあります。

でも、そこまで急ぐ必要がない場合であれば、なるべく「普通である」ことを続けてもらいたいと考えています。

僕の施設は障害のある方を対象としたものですが、そこで食事に他を加えれば加えるほど

家に帰ることが困難になる

家でなくても何らかの形で地域に帰ることが困難になる

これは病気でも同様な部分が多く、急性期を除けば、食事の形態を落とすことはその後の人生そのものに影響を与えることになります。

例えばミキサー食でとろみをつけて提供する食事までいってしますと、家では細かく刻むくらいまではできますが、これ以上となると手間がかかりすぎて毎食行うことは困難であり、家に帰って生活するための能力を失ってしますとも言えます。

特に食事形態については手を加えれば加えるほど、専門的な設備や道具がないと、加工が難しいということになります。

なので、施設栄養士が「この人は問題ない」と関わらずにいることは健康的にも状態的にもとても優れているということになります。

僕はこういった、本当に必要な時にしか関わらない姿勢でいるので、きっと回りからは

仕事をしない栄養士

と思われていることでしょう(笑)

でもこれで良いのです。

積極的に関わりにいって、必要以上に手を出すことはその人のQOLを下げることもありますから。

栄養士が本当にさぼってはダメ

でも、情報の収集、周りにアンテナを張ることはさぼってはいけません。

あくまでさぼっているように見えるだけなのです。

本当に必要な時は見逃さないようにしないといけないので、必要以上に手を広げて、このアンテナの感度を下げるようなことは控えます。

イザという時にフットワーク軽くするためにも心の余裕も必要です。

栄養士と他職種間に信頼関係は必要

相談してもらえるためにはある程度の信頼関係は必要になります。

普段はダラダラしているけれども、相談すると頼りになるというのが大切です。

そのため、栄養系の知識はたくさん抱えておくに限ります。

世間話の中でいやらしい話ですが、小出しにしていきます(笑)

コミュニケーションの取りやすさも大切ですね。

いつも怖い顔しているようなことはないようにしないといけません。

栄養士の関わるという考え方まとめ

自分が関わらないとだけ書くと無責任感がありますが、関わらないための準備なども重要です。

本人や職員への栄養知識を向上する取り組みなどはその一例として効果的です。

幸いなことに「健康」というものは、施設特有のものではなくて一般的にも非常に興味を持ってもらえる分野です。

こういった取り組みを行いやすい土壌が出来ているので、栄養士は働きやすい時代になってきていると思います。