昼のみ提供での栄養管理の限界
僕の勤めている会社(法人)はお昼だけ通いの施設が多く、お昼のみ提供しているところが多いのが特徴です。
これは社員食堂と同じ方法で、課題もまた同一である部分が重なります。
今回は特に健康管理という点について
お昼のみの提供では問題が解決しづらいという話をしていきます。
きっかけは施設の栄養マネジメントと会議
栄養士が集まる会議が合って、長年の課題として
利用している方々の肥満傾向
これは社員食堂でも同様だと思います。
ただ、うちの場合この後の考え方にやや問題がありました。
「ではどうすることで健康状態を上向きにできるか?」ということに対し、本人や家族の行動変容を促す方法を取らずに、食事量を調整させて欲しいと、本人や家族に訴えかける方法を取り、許可が取れると食事量を減らすなどの取り組みを行っていた点です。
今回これを完全に見直す・考えなおすことにしたのですが。
その理由として
・同じ食費の負担をしてもらっているのに提供される量に違いがあること
・平日昼以外の食事については、結局こちらの目が届かないこと
・量の調整が体重減少に直結しにくいこと
と言う点があります。
食費についてのそのままなので置いておきます。
社員食堂でも同じなのですが、基本的に僕らの管理できる範囲としては平日のお昼のみです。
1ヶ月に20回くらいの食事しか目の前で食べていません。
単純に1ヶ月を30日×3食としても90食、その中の20食、さらに間食もあるかもしれませんから、全体の20%くらいにしか関われていないことが分かります。
そんな中で、家庭での様子については聞き取りという形くらいでしか認識できません。
その20%についてエネルギー量を調整したところで焼石に水であったり、むしろ「お昼あんまり食べてないからお腹減った」という感覚で間食が増えてしまうことなど、本人主導でない限りは、昼食での工夫はほとんどの場合で徒労に終わります。
そして栄養士が栄養相談や学習会を開催したとしても、そこへ参加するのは元々健康意識の高い課題の無い方ばかり。
興味がないから不健康な状態になるという点もありますし、今更あれこれ改善するように言われることも嫌でしょうから、この点の改善は難しい部分があります。
昼のみ提供時の栄養管理 今後の取り組みとして
昼食はなるべく減らさないようにします!
というのも、おそらく一番バランスが考えられている食事は、栄養士の管理している平日の昼食だろうという点からです。
最も計算されている食事を削ってしまうことにメリットがあるのかという点の議論から、むしろお昼はしっかり食べるので、間食などは控えてくださいという働きかけの方が健全ではないかということからです。
そして、こうすることで栄養士としても、更に自分たちが力を入れて献立を考える価値が高まるので、やりがいも出てきます。
もちろん医師からの指示など疾病に関する調整は綿密にしっかりと行っていきます。
ただ、何となく、太ってきたから・・・という方に対しては、
昼食はバランスが取れている内容で提供しているので、まずは他に手を付けてもらい、それでも効果の出ない時に限って、栄養士と食事摂取状況などを確認したうえでの対応とすることになりました。
昼食のみ提供施設の栄養管理 まとめ
今回の件からの学びとして
・体重が多いからといって、なんでも減らせば良いというわけではない
・サービスのつもりで行っていても、相手のニーズがなければその効果はでない
・適正な仕事を行うことで、分量調整など余計な仕事は省くこともできる
こういった点があります。
今までは良かれと思って行っていたことが、まったく相手のニーズにないことを行っていた、悪く言えば自己満足であったということを自覚でき。
その自己満足を抑えることで厨房も余計な分量調整という仕事を減らすことができたので、現在のところは良い方向へ流れるように感じます。
もちろん利用されている方から健康に対する相談などがあれば積極的に応対しますし、その結果必要であれば分量調整も行います。
要するに「押し売りをやめた」というところです。
みなさんも業務に力が入り過ぎて、必要でないところにまで心血注いでしまっていないでしょうか?
本当に必要なことを選ぶことも大切だと今回の変更から感じました。