施設栄養士の仕事内容③ 栄養管理
栄養士なので栄養管理というと仕事の本分なわけですが、最近は栄養ソフトが全部やってくれます。
基準の策定についても食事提供の対象者を入力すれば自動計算されますし、献立を立てればそのエネルギーや栄養価も自動で出力されるので、それを見ながら調整することが簡単にできます。
そんな中で栄養管理について意識する点は何かを書いていきます。
この他栄養士業務については
>>>施設栄養士の仕事【①献立作成】の冒頭部分にリンクを貼ってあります。
栄養管理は自分のルールをしっかりと作る
栄養管理は栄養ソフトが計算してくれるから数字合わせだけをしていれば良いのか?
これはもちろんNOです。
例えば、厚生労働省は運動をすることを前提に身体活動強度を出しているので、基準通りにカロリー摂取してしまうと太るケースが多いです。
子供は体を動かす比率も高いし、成長期なので、多めのカロリー摂取が推奨されることは納得できます。
一方、大人では、会社員の多くは運動量の確保が困難であり、そのため生活習慣病が多いという背景があるので、基準の数値を上げることについては個人的には反対です。
肥満や生活習慣病の改善・解決に運動が重要なのは分かりますが、全国民的に運動が習慣化されているわけでもないのに、運動する前提の多い摂取カロリーなどを基準にしている現状は肥満を多くしたいのではないかと邪推してしまうような状況です。
このように栄養士ごとの考え方もありますし、食事を提供する対象の方が実際の所、どの程度の消費カロリーかを想定して、自分の提供する食事を構成するべきです。
国の定めた基準だけでコントロールするのであれば、各職場に栄養士は必要ありません。
あとは、保健所など、外部から説明を求められた際に、しっかりと根拠を示すことが出来れば良いわけです。
栄養管理の難しさ
僕の働く障害者施設では、身体に障害のある方もいますし、車イスを使用されている方もいます。
こういった方々にも一般的な基準が利用できるのかというと、それは適したものにはならないでしょう、基礎代謝量が大きく異なることは筋肉量など測定しなくても分かるところです。
このため、一般的な基礎代謝値に対して何かしらの補正を行う必要があります。
個人的には、大きすぎる基礎代謝に対しては0.7をかけても少なすぎる事は無いと考えていますが、これについては実際に食べてもらって体重の推移などを見ることが現実に即していると思うので、屁理屈はこねないようにしていきます。
栄養管理の成果は確認する
年間など長い期間で、提供した食事のカロリーや栄養が適正であったかを判断します。
体重は食事量が適正かを計る上で簡単に判断できる指標になります。
その変動を見ながら、自分の出している食事の影響を判断し、必要があれば修正していきます。
この成果をきちんと確認しておかないと、栄養管理はただの数字合わせになってしまいます。
栄養管理まとめ
ここでは集団の給食管理における栄養管理の話を書いていきました。
①数字合わせは大事
②それ以上に自分の提供する相手に合う食事提供が大事
③①と②をリンクさせる根拠を持つ
こういった一連の流れができてくれば、個別の細かい対応などに移って行けると思います。
この他栄養士業務については
>>>施設栄養士の仕事【①献立作成】の冒頭部分にリンクを貼ってあります。