卵は完全栄養食品
卵については他の記事でも触れていますが、ビタミンC以外の様々な栄養分を含んでいるため、ほぼ完全な栄養食品と呼ばれます。
たんぱく質も含むことから、運動習慣のある人やボディビルダーの方も食事に卵を多く食べるなど、昔から多くの人に愛される食品となっています。
その一方で卵の食べ過ぎには注意しましょうとも言われます。
これは卵に含まれるコレステロールに関係するものです。
今回は卵とコレステロールの関係と、卵は1日に何個食べても良いのかという話について書いていきます。
卵が1日1個と言われる理由はコレステロールの多さ
卵を1日1個までにしましょうと昔から言われるのは、卵にはコレステロールが多く含まれることと関係しています。
生活習慣病が問題となっている現代では、血液検査を行った際に、コレステロール値が高いことで検査に引っかかる人が多くなっていることからも、コレステロールを多く含む卵の摂取は控えるべきではないかと考えられてきました。
ただ、昔行われた、卵と人間のコレステロールを結びつける実験には不備のあることも分かっています。
このため、最近では卵を何個食べても良い、2個までなら良い、というような話が多く聞かれるようになりました。
では、1日に卵を何個食べても良いのか
色々な説がありますが、ここでは何個でも良いという説と、1日2個までとする説の根拠を書いていきます。(1日2個と1日1個にはそこまで差がないので統一)
「1日何個でも大丈夫」の根拠 コレステロールは体内でも合成される
人間の体内でコレステロールは合成して作り出されています、
この体内合成量は食事で摂取するよりも圧倒的に多くなっています。
しかも、食事から多めにコレステロールを摂取した際には、体内で合成するコレステロールの量が少なくなるので、特に気にする必要もないと考えることもできます。
こうした背景から、食事から摂取する量は問題にならないという考え方があり、卵もたくさん食べて大丈夫だと言われます。
1日2個までの根拠 食べ過ぎればコレステロール値は上がる
実は根本的な考え方は1日に何個食べても良いと考えている説と同様です。
人間の体内でコレステロールが合成され、食事とのバランスを取っているという上記の説は全く批判せず、その通りだとしています。
では、どうして2個までという制限がつくのでしょうか?
これは、実際に毎日複数個の卵を食べている人を調べたところ
1日に3個目くらいから、人によっては血中コレステロール値の上昇が見られた。
という結果に基づいたものです。
つまりは、人によっては1日に3個目くらいの摂取から、体内で合成するコレステロールとのバランスが取れなくなってくる恐れがあるので、セーフティーなラインとして1日2個くらいに抑えておくことが適当という考え方です。
この考え方は個人差を考慮し、影響の出やすい人は卵の摂取を控える方が安心という考え方に基づいています。
栄養士養成学校などでは、安全であることの優先順位の高さから
今でも「1日1個で良いでしょう」という教え方をしているところもあります。
コレステロールについてどの程度神経質になるのか、どう捉えるか、という点について、1日何個まで食べられるのかの許容量が異なるという感覚です。
卵とコレステロールについてのまとめ
・卵は栄養価の高い食品
・コレステロールは高い
・コレステロールは体内で合成される量が多く、ある程度食品から摂取しても大丈夫
・人によっては食事のコレステロール摂取が血中コレステロールに関係してしまうこともある
こういった背景から1日2個くらいまでに抑えておくことで最もリスクが少ない食事という事が出来ます。
ただ、
必ず毎日1日2個までに抑える必要はありません。
たまに多く摂取しても、それですぐに病気に直結するわけではないので、神経質になり過ぎる必要はないと思います。
ただ、卵が大好きで、毎日のように卵を1日3個以上食べる、という人は、定期的に検査などを受けて、自分がどの程度食べるとコレステロール値に変動が出るライプなのかは知っておくことで、健康を維持しやすくなります。
血中コレステロール値については、献血などをした際にも計測してもらえるので、医療機関に通って・・・までする必要はありません。
最後に栄養士としての視点で言うと
卵以外からもきちんと栄養を摂取してもらいたいので、卵はやっぱり1日1~2個くらいにしておいて、様々な食品を食べる習慣を持っていただきたいと思います。