切り傷・擦り傷の対処
僕が小さい頃には
転んでひざを擦りむいたりしたら、まず傷口を流水で洗ってから消毒という流れでした、
それが現在(2018年)では
傷口は「流水で洗って周辺の汚れは落とすが、消毒はしない」という方向に変わってきています。
更に傷口は乾燥させた方が治りが早いとも言われていましたが、これも乾燥させない方が良いという方向に変わってきています。
この昔とはガラッと方向の変わった傷の治療法を湿潤法と呼び、従来の方法よりも消毒による痛みなどが少なく、治りも早いという特徴があります。
湿潤法では傷口を消毒しない理由
以前は傷口にいわゆるバイ菌が入らないために、消毒を行っていました。
でも、そうすることで、傷口周辺にある、傷を治すための細胞にもダメージを与えてしまい、傷の治りを遅くしてしまうことが分かってきました。
そのため、本来消毒という行為自体は痛みを伴わないのですが、(手洗い後のアルコール消毒のように)傷口を消毒すると痛みを伴います。
湿潤法ではバイ菌での傷口の汚染を防ぐために流水で丁寧に洗い流すという方法は取りますが、その後は消毒など行いません。
切り傷の傷口を乾かさない
以前は傷口はある程度治ってきたら乾燥させて早めにかさぶたを作ることで傷が速く治ると考えられていました。
ところがこれが一変し、最近ではかさぶたができるという事は傷を治す過程で失敗があったという認識がされるようになりました。
傷口が塞がるためには、傷口周辺の細胞が増殖する必要があり、そのためには水分も必要になります。
乾燥させてしまい、その水分が不足した状態になると傷口を上手く修復できず、かさぶたができてしまうと考えられるようになってきました。
お風呂やシャワーもOK
僕が学生の頃は擦り傷はお風呂などであまり濡らさない方が良いと言われていたので、ずいぶんと気を使ったものですが、最近では傷口の菌は部地理的に洗い流すことで感染しないという考え方が浸透しているので、濡れることをほぼ気にしなくて良いという状況になっています。
湿潤法の行い方
傷口を流水で乾かして、過剰な水分を拭き取った後は、ラップで患部を軽く巻いたりすることで、傷口の水分が保たれた状態を作ることができます。
最近ではドラッグストアなどで、乾燥させないための絆創膏(ばんこうこう)も増えてきたので、こういったものを使用すると傷の治りも早くなります。
切り傷擦り傷を消毒しない まとめ
この傷口に対する治療法の大きな転換期となったのは
昔は菌と言えば「すべて悪いもの」という認識であったものから、傷口を化膿させるような金は実は少ないという認識に変わったことがあります。
このようなドラスティックな変化は医療だけでなく、様々な分野で稀に起ります。
ただ、こういった変化は誰かに不利益を生むこともあります。
今回で言えば家庭に消毒薬がほぼ不要になるので、薬品メーカーやドラッグストアは売り上げが落ちる可能性もあるわけです。
そんな中でもこういった全体の利益を生むために情報が提供されるという所は医療以外の分野が見習うべき点だと思います。
うちもいつ購入したのかすら分からないマキロンにお別れすることができそうです。