防災備蓄食料と被災時基礎知識
備蓄食料は大きな地震が来るたびにリアルな経験を積み重ねることで、実情に沿った新しい商品が登場してきています。
その一方で、個人的には「これは本当に困ったときに食べることができるの?」という商品もあったりします。
今回は防災備蓄食料として購入するものについて、どんな点に注意するべきか、実はあまり知られていない地震が起こった時の知識などを書いていきます。
備蓄食品はどんな場面で食べるのかを考えて準備する
昔の備蓄食料はお湯を注いで食べるものなどがありました。
現在でもありますが、被災時にはお湯の確保が容易ではないので、種類としてはそこまで伸びてはいません。
水を入れるだけの商品は変わらず多くありますが、口に入れることのできる水自体も貴重なので、できれば使用せずに食べられるものが好ましいです。
まず、ライフラインと言われる水道・電気・ガスが生きている状態であれば、非常食を食べる必要はほとんどありません。
ライフラインが生きていれば住居自体も問題ないことが多いので、カップ麺でも乾物でも大丈夫ですし、お米も炊くことができます。
これらのことから備蓄職として蓄えるべき食糧は、ライフラインが止まってしまった場合を想定して用意する必要があります。
ライフラインが生きている状態を想定して買いそろえてしまうと。
ガスが来ないのでお湯が沸かせない、そもそも水道が出ない
電気も来ないので家電は使えない
こういった状況で、食べることができないものを一生懸命準備してしまう可能性があります。
基本的な考え方としては
・開けただけで食べられるもの
何か手を加える必要がある場合には、それが用意できない際に用意した備蓄を食べることができないリスクがあることを理解しておきましょう。
手軽に食べられるお菓子が備蓄に重宝
手軽にスーパーやコンビニで購入できる一般的なお菓子
これらが実は備蓄として活躍しているということが、様々な避難所などの経験から伝わってきています
・比較的賞味期限が長く
・食べ慣れている
・子供も食欲が沸く
・水、電気、ガスは基本的に不要
実はエネルギーを確保するだけであれば有効な備蓄食糧、というのがお菓子の実態です。
防災食など物資の早期支給は当てにしない
被災地に物資が運び込まれている映像を見て
「自分たちに何かあっても食べ物とか運んでもらえるのではないか?」と軽く考えて家に食糧を備蓄しないケースもあります。
ですが、物資の支給は道路の安全性が確認されるまではそんなにたくさん運び込むことができません。
ある一定の期間についてはやはり自前で用意する必要があります。
実際行政は被災後数日、本部の設営やボランティアの振り分けなど、多くの仕事に追われます。
あまり行政に頼ろうと考えていると、いざという時に困る可能性は高いです。
避難所設営の基準を確認しておく
僕の住んでいる自治体では、災害対策本部は震度6弱から設営されます。
つまりは震度5強ではできないということでもあります。(消防や警察は5強から)
つまりは避難所もその基準に達さなければ受け入れ開始をしない可能性が高いです。
簡単に
避難所に行けば何とかなるだろう程度に考えていると肝心の避難所が作られないかもしれないわけです。
僕の住んでいる自治体では、物資と水の支給は家が全焼・全壊している方を対象、それ以外の場合は自分の家で用意したものを使用してくださいというスタンスを取っています。
少し冷たく感じるかもしれませんが、すべての住人の分をとても確保することはできないという事情は理解できるものです。
このように、災害時には、自治体・行政に頼る前に、まず自分たちで何とかする必要がでてくるという前提の準備を整えておく必要があります。
マンホールトイレは基本使用できない
少し前は災害時のトイレとしてマンホールトイレの設置が流行しました。
僕の住んでいる近隣でも、マンホールトイレの充実を一つの売りにしているマンションがあります。
ですが、現在はこのマンホールトイレは災害時には使わない方向になっています。
マンホールトイレが使用できない理由としては
・水圧が低く、きちんと下水まで流れない
・下水管がきちんとしている確認が取れないと使用することができない(被災時には確認はほぼ不可能)
マンホールトイレがきちんと流れていかなければ匂いや衛生上の問題になりますし、
下水管が途中で破裂していたりすると、そこで衛生上のトラブルが起こる可能性も高いため、これは仕方のないところです。
この情報を知っていれば、マンションにマンホールトイレが付いていても、自分の家で使い捨てトイレを用意する必要があることが分かります。
このように数年前まで期待されていたものが、実は使えなくなっていることなどもあるため、防災の情報についてはこまめに集めておく必要があります。