デトックス(detox)とは
デトックスとは体の中にある毒素を体の外に出すことを言います。
ですが、実は最近巷で言われるデトックスについては実はきちんとした定義がなく、何かしらを売り出したい時に都合良く使われてしまっている感は否めません。
そして、効果を実証する研究報告についてもほとんど無いというのが実情です。
そもそもデトックスとは、解毒(detoxification)を短縮したもので、本来的な言葉の用途としては医療的なもので
・アルコール依存症
・薬物依存症
こういった状態の人からアルコールもしくは薬物という原因を取り除くことをデトックスと表現していました。
他にもキレーション療法という有害なミネラルを体外に出すための治療法がありますが、これも巷で言われるデトックスとは異なる物となっています。
最近は体に悪いものを体の外へ出すという部分が独り歩きして、ついには体に良いことや、汗をかく行動すべてにデトックスとつけても良いという風潮になりつつあります。
これまでにもデトックスの効果については微妙であるという記事を書いています。
デトックスで排出する毒素とは
では、最近言われるデトックスの毒素とはどんなものでしょうか?
1.重金属
2.化学物質
3.薬物
はっきりと定義されていませんが、ざっと見てこんなところが、主に言われています。
さらには最近では老廃物の排泄という生理現象を促すものまでもがデトックスと言われるようになっています。
もはや何でもありなのか・・・
これらを体外に出す仕組みについても、様々なデトックス方法や商品で明確にされず、何となく汗と一緒に排泄される、尿量を増やして排出する程度の、生理的な作用を促す程度の物が多くなっています。
実際に毒素として強いものを強制的に体の外へ出せるとしても、その大きな負担が体にとって悪影響になる可能性も考えられるので、なんでも体外へ出せれば良いというわけでもなかったりもします。
人体の解毒は肝臓が担っている
基本的な話になりますが、人体に有害な物質が入って来た際には肝臓が解毒を行います。。
アルコールの分解も肝臓で行われています。
肝臓はウン百という解毒の働きを行っているので、それ以外にデトックスを行う必要が病気でない人に必要かというと、その理由や根拠も特に示されているデータはありません。
なぜ岩盤浴・サウナ・ヨガなどはデトックス効果があると言われたのか
単純に言ってしまえば汗を多くかくからに他なりません。
汗には有害か無害かはともかくミネラルが含まれています(ナトリウム、カリウムをはじめ)、これをミネラルが排出された、健康的!と言っているものも少なくありませんでした。
他にも理由はついていますが、それらの信ぴょう性が乏しく、デトックス効果を証明できるものはありません。
ひとつ例を挙げると、体温が上がって免疫が上がる、というもの
これは単純に他の運動でも良いし、普通のお風呂でも大丈夫です。
デトックス以外のメリットを前面に出した方が良いとすら思えます。
デトックス効果を否定するもの
英国の国民保健サービス(NHS)はデトックスの必要がない、あるいは危険性について発表しています。(現在リンクエラー)
https://www.nhs.uk/news/medication/detox-tincture-qa/
ナショナルジオグラフィックの日本サイトでもデトックスについて汗で体外に出る有害物質があまりにも少ないという話など書いています。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/041200164/
この他にもデトックス自体を否定する公的な機関や研究報告は多くあり。
デトックスについては効果がないと言って差し支えないと思います。
デトックスについて まとめ
どうしてこんなにもデトックスという言葉が溢れているのでしょうか?
それは健康関連の行動や食品にデトックス効果があるという言葉を使うと箔がつくからという部分が最も大きいと言えます。
何となくデトックスと言われると納得する消費者が多いことも理由の一つでしょう。
そのデトックスという概念に定義も科学的な根拠もないということを念頭に置いて、様々な情報について検討することで、商品やサービスの選択をすることで、消費者の事を考えているのか、売れたらOKという会社なのかという面が見えてきます。
消費者が知識を高めることで自己防衛し、商品選択しっかりと行えるようにしていきましょう。
最後に一言
そもそも、そんなに現代社会は有害なものを溢れていて、それを原因に健康を害して困っている人が大勢いるか? いないですよね。