お寿司のネタに使用する魚は偽物? 代用魚について考える
お寿司屋さん、特に回転ずしなどに力を入れているお店はどんどん増えており、その人気も留まるところを知らないといった勢いです。
そんな安いお寿司屋さんで使用される寿司ネタ、偽物だという話を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな名称と異なる魚、いわゆる代用魚が使用されることについて書いていこうと思います。
代用魚とは
まず最初に、安いお寿司屋さんなどで、名称と異なる魚が使用されているというのは本当です。
そういった魚は代用魚と言われ、今日でも使用されています。
Wikipediaによると代用魚とは下記のように書かれています。
代用魚(だいようぎょ)とは、古くから食用とされてきた魚介類の代用として利用されるようになった魚介類。代替魚(だいたいぎょ)とも呼ばれる。
Wikipedia「代用魚」より抜粋
代用魚が使用される背景には大衆魚を獲り過ぎて枯渇することを防ぐ、高級魚の代用として外のものを使用するという意図がありました。
ところが、最近はお寿司屋さんなどで、安いネタをランクが上に感じさせるためのトリックとして使用されていることが個人的には気になっています。
お寿司屋さん以外ではどうか
お寿司屋さんがそういった手法をとれるのであれば、スーパーなどで販売されている刺身やお寿司も信用できないのではないか?
と、感じた僕は法的な部分から少し調べてみました。
結果的にスーパーなどで販売する場合には
JAS法の加工食品品質表示基準によって、表示のルール化がされているので代用魚を使用した際にはその名称を記載する必要があり、一般的な知名度が低い魚については売れない(販売数が伸びない)ことから、ほとんど使用されていないというのが実情の様でした。
この基準は容器包装された形での販売に際して適用されるのでお寿司屋さんのように包装したりという工程がなく、そのまま提供する場合にはこういったきちんとしたルールがなく、それが代用魚ばかりのお寿司屋さんなどにつながっています。
ルールにすることは困難
では、なぜお寿司屋さんの代用魚についてルールが作られないのかというと
- ルール化が難しい
- それを望む声が特にない
この2点が大きな所となっています。
ルール化が難しい
例えば、サケ科の魚にイワナやニジマスなど、こちらのイメージとしてはサケとは言い切れないものも含まれています。
これらはサケなのか、サケではないのか。
もちろん消費者側からすれば別のものなのですが、見方が変わったり、別の分野の人からすると一概に違うと言えないこともあるでしょう。
これらは分類上サケ科○○属などのように分類されているのですが、どこで区切るべきかなどで苦労することも目に見えています。
更に日本での意味と海外での捉え方に違いがあることがあり
日本ではいくらはサケの卵という認識だがロシアでは魚卵と括っている、というものも見かけました。
だからいくらと書いて他の魚の卵だったとしても嘘と言い切れない。
魚の種類や言葉のあれこれを考慮して等しくルール化、あるいは定義するという事は非常に難しそうです。
それを望む声が特にない
もちろんお寿司屋さんからすれば、老舗の高級店ならいざ知らず、代用魚をそのままの名将で出すことを嫌がるお店の方が圧倒的に多いでしょう。
そして実際には食べる僕たちからしても回転ずしに行ったけど聞いたこともなく、何となく食欲も出ない名称のネタを食べることは望まない人も多いでしょう。
きちんとした名称のものだともちろん値が張ります。
安いお寿司屋さんに出かける人は代用魚であることを承知している人も多いですが、嫌なら高めのお店に行くか、お寿司を諦めるかすればよいわけで、出かける人はそれでも良いわけです。
このようにルール化することで得をするという人が少ないというのも問題として取り上げられることがない理由になっています。
衛生的な観点でのルールはある
ただ、代用魚について全くの無法地帯というわけではなく
食用に適していないものについては食品衛生法によって使用できないということになっています。
安全性については一定のものがあるということですね。
ただ、海外から入ってくるものだと、偽装というケースもあるようなので、絶対とは言い切れないようですが・・・
まとめ
お寿司屋さんのネタについては以前からどこかで書こうと思っていたのですが、代用として使用されている魚が多すぎて、悩んでいました、
具体的な魚の名前などを完全にカットすると割り切ってまとめてみましたが、実際このくらいシンプルな方が分かりやすかったかと思います。
実際、お店で食べる時、「代用魚かどうか」なんて考えたら食事もつまらなくなるので、安いお店ではそういうものだと割り切って楽しく食事することが一番のような気がします。