科学的に実証されていることがすべてではない
トレーニングやダイエットをしている人で、
科学的には
Aという方法が良いとされている
Bという方法は効果がないとされている
でも、自分の体感の感想としてはBの方が効果があるように感じられる。
こういったこともたまにあります。
では科学的に実証されているからAに変えるべきかと言うと、必ずしもそういうわけでもないということもあります。
今回は科学的に証明されているからと言って、それだけが正解というわけではない、という話を書いていきます。
科学的に効果がないのに効果がある?
プラセボ効果というものがあります。
これは薬の臨床検査などで
効果があることが期待される薬Aと
研究内容の項目については効果のないことが分かっているBという薬(薬じゃなくてもよい)
このように2つの物を飲んで効果を比べます。
この時には実は効果の無いはずのBの薬でも効果の上がる人がいます。
これは人間の思い込みの力で、
「これは効果があるんだ」と信じて飲むことで、実際にその効果が出てしまうことがあるために起こる現象です。
ちょっと昔では、子どもに風邪薬だといって小麦粉を飲ます
すると体調が良くなったという子がそれなりに出るという思い込みの力を利用した方法もありました。
つまりは科学的には効果がないと言われていても、その人の思い込みで効果を上げられることもあるということです。
そのため、本人にとって効果がある方法であれば、その人にとってその方法が良い方法・正しい方法と言えることもあるという事です。
効果の判定は必要
この方法が自分に合っていて効果があると信じている。
こういった実際の体験・体感だけで効果を判定しても良いのですが。
本来的に言えば
効果の実証されているAという方法も取り入れてみて、自分の方法である科学的根拠はないとされているBと実際に比較する必要があります。
Bという方法で効果を上げていたとしても、Aと言う方法を取り入れたらもっと良くなった、という事もあるからです。
理想で言えばAとBの両方を同じ期間で試して数字で比較できると良い所です。
トレーニングであれば腕が何センチ太くなったか
ダイエットであれば体重と体脂肪(体重だけだと筋肉が落ちて脂肪はあまりお父ない場合があるので)
感覚以外にもこういった数字を見える化することで、AとBのどちらを採用するにしても自分を納得させて次のステップに進むことができます。
効果があるかないかが関係ない場合もある
これは特にトップレベルで競技を行う人にある行動なのですが、
科学的根拠は二の次で、例えば、前回あるサプリメントを飲んで勝つことができた場合には、次の時にもそのサプリメントを飲む、いわゆるゲン担ぎのような感覚もあります。
人間の体は栄養や運動も大事ですがメンタルに左右される部分も多くありますから、メンタルの部分への良い影響を優先するのであればこういった摂取方法も簡単に否定できない部分があります。
そもそも人間は同じようにできていない
なぜ科学的根拠がある方法で誰しもが同じ効果を得られるという結果にならないのかと言うと、人は個人差などが大きいためです。
人種・性別・年齢・遺伝的素養・体格などなど
筋肉の量も違えば生活の強度も異なる、体の中を見ても、消化吸収能力の高い人、低い人、そもそもそれぞれの臓器の大きさも異なる・・・・
それに人の体は左右対称にはできていません。
腎臓のように左右に臓器のあるパターンの方が特殊なくらいです。
なかなか万人に取り入れやすい正しいものの提供は難しいというところもあります。
それでも基本は抑えておく
ダイエットは様々な方法が溢れかえっていますが、基本はカロリーを控えめにして栄養バランスはきちんと整えることというものです。
トレーニングであれば、それぞれの種目に正しいフォームなどが設定されています。
これらは体を壊さない、健康を損ねないという点において、科学的にも先人の経験的にもつみ重ねてきたものですから、やはりベーシックなものの良い点というのもあるものです。
自己流で行っていることについても、こういった基本を学ぶことで怪我などを予防できる面はあるので、取り組んでいる内容についての学習は大切になります。
まとめ
科学的根拠があることは大切ですし、安心感もありますが、昔の科学的根拠が最近の科学では否定されることもあります。
そういう点では、最近の「エビデンスは?」という流れはデマに防止と言う点では有用ですが、全面的に未来まで保障するものではないことも分かります。
でも、だからこそ学び続けて、現在の正しい知識をバージョンアップさせることが重要となるわけで、常に勉強している人が先端を走ることができるようにもなっているとも考えることができます。
僕個人としては、自己流を否定せず、でも科学的に根拠がある方法を伝えながら・・・という方法が今のところの考え方となっています。
みんな最初は自己流なわけですし、練れてくると基本からアレンジした自己流になっていくわけですし。