コロナ禍での給食
僕が給食関連の仕事を始めてから、BSE(狂牛病)、米問題、O-157、ノロウイルスなど、様々な時代とそれによる変化を迎えてきましたが、今回のコロナはそれらと比較できないほどのインパクトがあります。
大きな違いはこれまでのアレコレは厨房側が注意警戒する問題で、食材料の見直しや衛生に関するルールを変えれば解決できました。
コロナでは食べる人の距離や食べ方、イスやテーブルの配置などの見直しが必要になるなど、厨房よりも外側での変化が大きかった点が特徴的です。
実際の対応
実際に僕のいる施設では以下の点について改善を行いました。
- 手洗い・うがいの徹底
- 体温測定
- 水道の非接触化
- 密を避ける工夫
- 換気できる環境整備
- 定期的な消毒作業
全部説明するととんでもないボリュームになるので、詳細まではここに書きませんが、同法人内の他の施設の人が参考にするために見学に来る程度にはしっかりやっています。
お金をかけて取り組んだところもいくつかあります。
水道は蛇口をひねらず、手をかざすだけで水が出るものに変更
各部屋に二酸化炭素測定器を設置し、換気が十分でない部屋には換気扇を追加で設置
体温も非接触型の測定器を購入して実施することになりました。
そんな中で厨房はいくつかの水道を非接触型にしてもらったりしています。
なぜすべての水道を非接触型にしないのかというと、作業をする上で水を出しっぱなしにしておいた方が良いという場面も少なくないためです。
基本的に厨房で働く場合には、厨房に入るタイミングで念入りに手洗いや消毒を行っているので、厨房内で手や調理器具を介したコロナウイルスの汚染確立は非常に低いと思いますが、対策はある程度行っておいた方がより安全です。
厨房は作業確認など声での連携を必要とします。
ただ、マスクをしていても飛沫感染のリスクはあるという事なので、作業に関連する内容以外はなるべく喋らいようになども気を付けています。
厨房では基本的に作業をしながらの会話になるので怒鳴りがちで、飛沫を気にするのは大切ですが、世間話ができないというのは案外精神的に辛いので、休憩時間などは個人のスペースを区切った上で気兼ねなく喋ることができる空間にしたいところです。
コロナ対策でストレスを溜めて、結果的に退職という事になると、辞める人も辞められる会社も不幸でしかありません。
上手に整備していきたいところです。
対策以外の変化
僕が感じたその他のコロナの影響として
野菜の値段が低め安定だったということがあります。
毎年野菜がどこかで値上がりしてヒィヒィ言ってるんですが(笑)
今年は野菜が安めで安定していました。
この理由を八百屋さんに聞いたところ
「スーパーの売り上げは上がっているけど、飲食店が動いてないから総合的な野菜の消費が落ち込んでいる為」だそうです。
緊急事態宣言などで営業自粛、あるいは営業時間の短縮をしているお店が多かったことが価格にも跳ね返ってきたという話です。
今後考えられる業界内の変化
給食と言えば、学校給食(学食含む)、社員食堂が頭に浮かびやすいと思います。
義務教育の範囲は特に変化がないでしょうが、大学などの学食と社員食堂は今後変化を迫られる可能性が高いです。
大学はキャンパスに行かなくても授業が受けられる仕組みを整えていくでしょう。
社員食堂は基本的に大きな企業ほど予算も多く、充実したものになっていますが、大きな企業ほどテレワークへの移行にも力を入れるため、会社に出てくる人数が少なくなってしまいます。
それぞれ、現在のスタイルとは変えていく必要がありそうですし、場合によってはニーズ自体が消滅してしまうことも考えられると思います。
学校、会社という枠組みの変化によって、中に入っている厨房にも変化が現れる・・・今度給食委託業者の営業さんが来たら今後の見通しをどのように考えているのか話を伺ってみたいと思います。
まとめ
コロナによる変化は厨房の作業として大きな影響はありませんでした。
一方で食べる環境、食べる側の予防策などはかなり変化を求められ、今後厨房はそういった周囲の環境変化によって何らかの影響を受けることは十分に考えられます。
自分の所は関係ない、ではなく、アンテナを張っておきたいところです。