体幹トレーニングについて
体幹、コアトレーニング、インナーマッスルなど体の中心部である腹筋・背筋をトレーニングする重要性が目立っていますが、実はそんなことはあまり気にしなくても大丈夫というお話。
(ここでは体幹トレーニングとしてまとめて書いていきます)
体幹はそれほど鍛えなくても良い?
これはもちろん語弊もあります。
ただ、
なんのためにトレーニングするのか?
効率をどの程度求めているのか?
このあたりによって大きく取り入れるかどうかが変わります。
良く書店で見かける体幹トレーニングは昔から伝わっている腹筋運動を載せているものがほとんどです。
こういったトレーニングは腹筋に効果的、背筋にはある程度効果があるというものです。
反面、基本的には自重と言われる自分の体重のみで行うことから、筋力向上、筋肉量の増大と言う面では、より大きな負荷のかけられる種目には見劣りがあります。
そのため、筋力向上や筋肉を大きくしたいという狙い、短い時間で効果を上げたいという場合には選択から外れがちなものが体幹トレーニングと言い換えることもできます。
では、どうして体幹トレーニングは良く耳にするのか?
これは日本人のウエイトトレーニングに対する拒否感を和らげるために、言葉としての体幹トレーニングなど、「ウエイトトレーニングじゃないよ」と思わせる言葉が用いられているためです。
商売的な背景と言っても良いかと思います。
日本人は筋肉アレルギー?
日本人は多少改善されてきた気がしますが筋肉アレルギーというかコンプレックスのようなものを持っています。
筋肉ムキムキの人をかっこいいと思う人よりも気持ち悪いの用にネガティブな印象で捉える人の割合が多いのは動かせない事実です。
そして、筋肉ムキムキ=ウエイトトレーニングという思考から、ウエイトトレーニングに対する誤解や偏見も根強い部分です。
実際、現在でもスポーツをしている選手が筋肉をあまりつけたくないと口にしたり、アニメや漫画では筋肉マンは筋肉バカであったり、単純な思考のキャラクター付けがされていて、どうにも主人公のパーティにはいるけど脇役ポジションにいる、要するに主人公にはならない(なれない)立ち位置が安定している点など、どういうわけか筋肉についてのネガティブなイメージが残っています。
こういった背景を踏まえると、腹筋トレーニングと言うよりも「体幹トレーニング」と言った方が何となく上記のイメージを持ちにくいので、一般受けが良いという点が考慮されての言葉選びであることが感じ取れます。
体幹トレーニングの行う利点
①畳一枚の範囲で行うことができる点です。
メニューにもよりますが、ほとんどが体のバランスを維持するものなので、動き自体は少なく、狭い範囲で行う事ができます。
部屋の中でも、コートの脇でも、スペースをあまり気にすることなく行うことができると言う面では非常にありがたい特徴です。
器具などがなくても行うことができることも同様に高いポイントです。
②バランスを取ることがうまくなる
やや不安定な体勢を維持するメニューが多く、これによってバランスを取るための腹筋や背筋が強くなります。
メニュー的にも得られる効果としてもバランスを取ること自体が向上します。
実際にサッカー選手は、相手とコンタクトしてもバランスを崩しにくくするという目的で体幹トレーニングを行う人が多くいます。
③負荷が小さいので怪我をしにくい
自重で行うことがほとんどです。
負荷を上げるためにバランスボードやボールを使用することがありますが、体にかかる負担としては自重(自分の体重)なので、大きな負担を関節などにかけることがないため、怪我をしにくいというメリットがあります。
特に、最近は俗にいう腹筋運動であるクランチについて、腰を炒める危険性があるのであまりお勧めしないという流れになっています。
安全性が高い腹筋運動という面では体幹トレーニングは非常に有用だと思います。
体幹トレーニングにこだわらなくても良い理由
①ウエイトトレーニングをしっかりと行っている場合
腹筋と背筋は(専門的な種目を行っていなくても)自然に負荷が入っているので、体幹トレーニングよりも多くの効果がそもそも期待できる。
②ダイエットのために行う運動としては時間当たりの消費カロリーが小さい
姿勢を維持する運動が多いことから、他の運動に比べると消費するカロリーが少なめです。
辛い割には消費カロリーが少ないというと伝わりやすいでしょうか。
③筋肉をつけるのであれば負荷が小さい
最初にも書いていますが、筋力向上、筋肉増量を行うにしては自重では効果が薄いので、ウエイトトレーニングで背筋を鍛えたり、腹筋は腹筋ローラーなどそれぞれ鍛える方が効率的です。
総評という名のまとめ
バランス能力の向上、上半身と下半身の連動強化という目的であれば体幹トレーニングを行うメリットを得られるでしょう。
ただ、その他の場面については、ダイエット、筋肉を増やす、それぞれもっと効率的な方法があります。
それを理解した上で体幹トレーニングを行っているのであれば問題ないのですが
体幹トレーニングを始めたのに痩せない
体幹トレーニングしているのに筋肉がつかない
こういった誤解で「結果が出ない」あるいは「体幹トレーニングはダメ」という判断をして運動そのものを妥協しないようにしてもらえればと思います。
これから運動を始めようという人の場合は、まず目的に沿ったものから初めて、そこに体幹トレーニングを行う理由が発生した時に追加するなり置き換えるなりで取り入れる方が良い方法だと思います。