子どもの運動事情
最近の子供は公園遊びなどを経験していないから、運動能力が低い
というのはニュースなどでも時折取り上げられます。
でも、小さい頃から習い事としてスポーツをしている子は20年前とは比べ物にならないくらい多いと思います。
反面、公園遊びをほとんどしていないという子の割合についても20年前とは比べ物にならないくらい多い。
では相殺ではないかというとそんなことは無くて、公園遊びで得られるはずの基本的な体の使い方すら知らない子供の割合が増えたことで、その上のトップ集団がいくら高い運動能力を示しても、
「まったく体を上手く使えない子」が増えてしまえば、記録としての数字は相対的に低くなります。
そして小さい頃からスポーツをしている子達についても、専門として習っているスポーツに必要な技術は伸びていきますが、不要な能力は身に付かないままになりがちです。
サッカーであれば上半身や腕を使う運動が苦手になってしまったりは良くある話です。
そうするとスポーツテストにありがちな遠投などは記録が出ません。
ひと昔前の子供の運動状況
僕らの小さい頃、
例えば、サッカーは遊びのひとつで、野球もドッジボールもなわとびも日替わりでやっていたから、みんななんでもそれなりにできました。
でも今は英才教育を受けている子ですら、全体的なアベレージとしては、高くないこともあります。
とある競技はずば抜けていても、他の競技の動きはできない
少し大げさな話になりますが、
サッカーでは、蹴る・走る・止まるができれば、あとはそれを如何に速くするか、もしくは上手くやるかということになります。
特に小学生年代では基本技術を磨くということが重要視され、運動能力を伸ばすための何某は二の次とされる傾向もこれを助長しています。
ちなみにオリンピックなどの国際大会では、一部の例外的なすごい人たちがトップを争うので、国民全体の平均値が下がる事自体はあまり世界的な競争力に直結しないと考えています。
運動人口が下がることで、全体の競技人口が減ると、様々な競技で一定の結果を出す事を諦めたり、人気の無い競技が苦しくなることはあるかと思います。
要するに運動できる子の奪い合いに勝てるかどうかがその競技の未来を決める事はあるかもしれません。
運動ができないことのデメリット
では、運動ができないことで、どんな点で困る事が考えられるでしょうか
・運動習慣を持たないと日常動作のなかでもケガをしやすい
・体の可動域が狭い(柔軟性が低い)ため、ケガをしやすい
・運動不足を原因とする肥満
・運動が苦手という意識が根付いてしまい、アクティブな趣味を持ちづらい
・運動習慣がない事で筋肉(筋力)が不足してしまい、ロコモのリスクが上がる
ざっと考えただけでもこれだけの問題点が出てきます。
もちろん運動より勉強を優先したり、目指すものや、向き不向きでやることを決めても良いとは思いますが、必要以上の苦手意識を持たないようにできると、本人の将来的な選択肢を広げる事にもつながるので、良いのではないでしょうか。
子どもの運動の実情を見て感じること
小学校では、和式のトイレはかがむ姿勢を維持できない子が増えたことから、すべて洋式にしようという流れにあります。
これは単純に使ったことがないから使えないのも理由としてはありますが、かがんだ姿勢を保つだけの能力を身に着けていないため、ということも大きな要因となっています。
他にも遊びから身につくはずの足首の柔軟さがなく、捻挫も増えているそうです。
こういった能力はアンバランスな状態をつくる遊具で身につくはずなのですが、
最近は公園で遊ばないこと以外にも、
子供が遊具でけがをするとすぐに遊具が危険だとして撤去されてしまう、親や世間の過保護も手伝っていると思います。
まったくケガのリスクのない遊びは外ではほとんどないのに、それに自分たちでも拍車をかけてしまっています。
しばらくの間はこの問題は解決できないのかもしれませんが、
それはあくまで全国的な平均の話なので、各自の取り組みでの改善はできるため、
自分たちから少しずつ取り組んでいこうと思っています。