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子供がプロテインを飲んでも大丈夫か? 安全性や効果について
体のがっしりしたアスリートはすごい量の食事を摂りつつ、トレーニング直後にプロテインを飲んでいたりするので、運動効果を上げそうだけれど、子どもも飲んで良いのか? 安全性についてはどうなのか?
スポーツをする子どもを持つ親御さんや関係者の方の疑問として多く耳にする、こういった疑問点について今回は書いていきます。
プロテインは子どもが飲んでも大丈夫!
まず、プロテインは食品です。
これを証明するように、最近はスーパーでもプロテインを取り扱うところが増えてきています。
どうして食品扱いになるのかというと、原料が食品であるためです。
最近最も売れているホエイプロテインは、乳たんぱくでできています。
ヨーグルトを購入して、ふたを開けるとヨーグルトの上にうっすらと透明な液体が入っていますが、この部分を素にしています。
植物性プロテインの代表であるソイプロテインは、その名の通り大豆から作られています。
大豆から余分な脂質を除去するなどの工程は経ていますが、基本的にこういった普段から口に入るものを加工して作られている食品となります。
こういった食品を原料としつつ、食品そのものを食べるよりも少量で多くのたんぱく質を摂取することができ、脂質などは削ぎ落されているというのがプロテインのメリットです。
運動する人がたんぱく質を多く必要とする理由
スポーツはもれなく、筋肉を使用します。
この時、強い刺激を受けるので、筋肉の筋繊維がダメージを受けます。
たんぱく質はこの際に以下のような働きをします、
- このダメージを回復する
- ダメージを回復する際に十分なたんぱく質があると筋肉が成長する
このため、十分なたんぱく質の摂取を行うことで
次のトレーニング時により回復して良いトレーニングを行うことができる、筋肉の成長によってパフォーマンスが向上するという恩恵を受けることができます。
日本でプロテインのイメージが悪い理由
今でも、プロテインを薬だと勘違いしている人が多い事が最大の原因だと考えています。
僕の周りでは実業団や社会人プレーヤーとして地域リーグでサッカーなどをしている知人もいますが、このうち2割くらいの人はこの誤解があり、プロテインを頑なに拒否しています。
その時に言われるのが「食べ物から摂取したいので」というフレーズなのですが、最初に書いたようにプロテインは分類上も食品だということの理解がアスリートでもされていない人がまだまだいるのが現状です。
こういった負のイメージはプロテインを筋肉増強剤と混同していることが根底にあります。
筋肉増強剤は筋肉を増やすためにたんぱく質ではなく、男性ホルモンを摂取します。
男性ホルモンは男性らしさを司るホルモンであり、過剰な摂取で筋肉をつきやすくします。
一方でホルモンバランスを著しく崩すので、体に何らかの悪影響が出ることから基本的に禁止されています。
オリンピックなどで言われるドーピングは基本的にこういった筋肉増強剤の類を指します。
筋肉増強剤の使用する影響として、人によっては摂取から少しすると皮膚に異常が出たり、髪の毛が異常に抜けたりという症状から始まり、場合によっては命を落とすことにもつながります。
こういった点から過去にすごい記録を出しながらも若くして亡くなったアスリートの中には使用を疑われている人もいます。
「筋肉を増やす」という点においてはプロテインも筋肉増強剤も同様ですが、そのプロセスは全く異なり
食品として安全・自然に筋肉をつけることを目的とするプロテイン
薬物として安全性に配慮せず、ただ筋肉を増やすという目的のみを追求したものが筋肉増強剤となります。
これを、結果として筋肉が付くというだけで同一視してしまうため、プロテインのイメージが悪くなっています。
プロテイン摂取を進める例
子どもが運動習慣がある方で
・パッと見て外見がガリガリ
・食が細い
この2点を満たす場合にはプロテインの摂取をお勧めします。
運動習慣があるので、痩せてしまう子はいますが、ガリガリにまでなってしまうと、運動でエネルギーやたんぱく質を使い切ってしまい、体を成長させる分に回っていない可能性があります。
学生のスポーツ現場を見るとガリガリの子どもがすごく多いことに気が付きます。
諸外国のスポーツエリートを育てる現場では同年代の子を比較した際にこのようなことはありません。
これは運動をしている人にとっての食事の重要性の認識の深さが影響しています。
もちろん、まだ消化器官も成長しきっていないのでたくさん食べることが困難であったり、運動後は食欲が沸かなかったりという理由もありますが、せっかく運動したのに効果が出にくい状態になってしまうので残念に感じます。
身長が伸びない理由も栄養不足かも
日本人の特に男の子に多くあるのが、小学生の高学年や中学生になってからはすごく食欲が出て身長が伸びたという話
これは単純にそのタイミングで成長期が来たという場合もありますが
今までの食事量では栄養が不足していて身長が伸びる分の余裕がなかったという可能性もあります。
プロテインは水や牛乳に溶かして飲むことができるので、食が細い子どもでも、案外簡単に摂取することができます。
消化吸収についても、固形の肉をたくさん食べるよりも吸収しやすいというメリットもあります。
食の細さなどが課題と考えられる場合にはプロテインを導入して1日2~3回くらい摂取してみても良いと思います。
プロテイン購入時の注意点
プロテインは安全だと書いてきましたが、原料や製法についてはしっかりとしているところにするべきです。
無名の格安メーカーだとどんな原料を使用しているのか不安に感じることもネットを見ていてあります。
こういった点を考慮するとザバスやウイダーという大手が安心ですが、価格は高くなっています。
毎日飲むものだと考えると、この手の大手の商品は手が伸びづらいところです。
個人的なお勧めは国内メーカーであればバルクスポーツです。
超有名メーカーと比較すると断然安く、安全性についてはホームページなどに細かく書いているようにこだわりがあります。
価格を突き詰めると僕が使用しているイギリスのプロテインメーカーである
【Myprotein】マイプロテイン社になるのですが、味付けが海外メーカーらしく甘さ強めであったりするので、最初は日本人の舌に合いやすい国内メーカーをおススメします。
摂取量については記載されいる量は大人向けなので半分程度の量で充分です。
子ども用などを展開しているメーカーなどもありますが、概ねビタミンやミネラルを添加して割高にしているものなので、基本的に大人用の商品を購入した方がお得です。
プロテインを推奨しないケース
プロテインは食品だとは言っても、牛乳でお腹を壊す人がいるように万能というわけではありません。
以下のような状態だとあまりおすすめできないということになります。
- お腹を下す
特にホエイプロテインは乳成分が含まれているのでアレルギーなどが出る場合もあります。
飲むことで不調になると感じるのであれば、摂取を止めておきましょう。
- 食事が摂取できなくなる
運動後のプロテイン摂取を行うと夕飯が食べられないなど、食事に影響が出てしまう場合には、食から摂取されるビタミンやミネラルを優先したいので、プロテインは少量にするか摂取せずに様子を見ることをおすすめします。
食事時間とプロテイン摂取のタイミングの見直しも大切です。
- 元々肥満傾向
プロテイン摂取前から太っている場合には、食事や間食内容に課題がある場合が多く、むしろエネルギーなど十分に摂取されているので、無理にプロテインを摂取する必要はありません。
食事の質として、肉や魚を増やせば足りるケースが多いです。
ただ、体が成長しているので体重が減らなくても、身長が伸びることで状態は大きく変わるので、きちんと運動と食事の習慣を身に着けていれば悲観することはないことも多いです。
注意点 効果の出にくい子もいる
消化吸収機能の成長も人それぞれです。
吸収する能力が低い場合には、せっかくプロテインを摂取しても完全に窮して利用できるわけではないので、効果がない、あるいは体重減少が止まらないこともあります。
ただ、こういった問題も体の成長とともに多くの場合改善されていきます。
成長には体の大きくなるタイミング同様、個人差は大きいものなので、あまり神経質にならないこともポイントです。
運動をしている中で、きちんと食べているのに体重が減少する場合には運動のし過ぎ(オーバーワーク)である可能性もあるので、運動と休養、食事のバランスを整えることも重要です。