子供の健康問題は体からメンタルへ

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子供のストレス

子供の健康問題は体から精神的な部分へ変化している

いきなりですが、日本人の死因の話から始めていきます。

厚生労働省が発表しているものはこの数年以下のような傾向が続いています。

・1~4歳では先天性の病気や奇形によるものがトップとなっています。

・その後不慮の事故、悪性新生物(がん)などに移っていく

・15歳以降は40代まで、死因のトップは自殺

・40歳以降はおおむね悪性新生物による死因が多い

このように、病気によって亡くなる方もいる一方で、自殺によって若いうちに亡くなる方の数が非常に多いという特徴があります。

 

これまではストレス社会と表現されると大人世代にストレスがかかってきているように思われていましたが、子供世代にも大きなストレスがかかっていることが見えてきています。

もちろん病気での死因が少なくなった背景には医学の進歩により、多くの病気が大ごとになる前に治療できるということがあり、病気で亡くなる人が減った分自殺や事故が目立つようになったという背景はあります。

 

その反面、

・自殺者の数字自体が増えているという部分

・病気で亡くならないのに自ら命を絶つという判断

こういった部分から目をそらすことはできないと思います。

 

子供のストレスはどのようなものがあるか?

では、便利になったと思われる世の中で子供たちはどのようなストレスを抱えているのでしょうか?

 

子供のストレス1:多すぎる習い事

最近は教育熱心な家庭が多くなってきていて、習い事が週に7日入っているという子供も少なくありません。

スポーツにしても同様で、毎日のように同じスポーツを長時間練習している子供も多くなっています。

この背景には教育への熱心さの他に、安全の確保という部分があります。

 

昔は放課後に公園に行って自由に遊ぶことができました。

今は不審者などを警戒することから、公園で遊ぶことにリスクがあると考えられるようになってきています。

このため、習い事をして、大人の目が常に届く環境に子供を置くことで安全性を確保しようという思いもあります。

 

ただ、習い事の多くは目的がありますし、自由度に制限がかかります。

それが週に数回ならともかく、毎日になるとストレスにもなろうというものです。

特に塾などでは宿題なども出されますから、その他のプライベートな時間までも食いつぶされてしまいます。

 

中・高校生になると習い事は減る傾向がありますが、部活動が異常な頻度であります。

ブラック部活などと呼ばれ、改善の兆しはありますが、ここまで書いたような事情もあり、家族からは賛成もあれば反対もあったりと、難しい面もあります。

 

現代の子供が自分の本当にやりたいことをする時間というのは大人顔負けに少ないと言えるでしょう。

 

子供のストレス2:ネットの普及によるストレス

最近は小学生でもスマホを持っている子が増えています。

これは便利ですし、子供の安全を確かめるためなどの目的も果たせるのでメリットもあります。

 

ただ、一方で、SNSなどを介しての過剰な同級生とのつながりがストレスの素にもなっています。

僕が子供のころは、学校外での連絡手段は家の電話だったので、必要な内容は学校にいる間に済ませて、どうしてもという時だけ電話連絡を行っていました。

ところがスマホを持ってしまうと様々なSNSで頻繁かつ手軽にいつでもコミュニケーションが取れます。

そんなSNSにも当然人間関係はありますし、文字だけだからこそ起こる食い違いもあります。

いじめについてもSNSは加害者側が強く結びいてしまいやすいツールと化します。

こういった背景にビクビクしながら生きている人もいます。

こういったSNSなどの連絡手段も少ない自分の時間を侵食するものですから、そういった面でのストレスももちろんあります。

 

子供のストレス3:子供の遊べる環境がない

ここまでに公園遊びが制限されたことを書きましたが、公園で遊んだにしても、最近は安全性への配慮という名目でボール遊びを始めとした様々な行動が制限されています。

では、代わりに公園でできない遊びをする場所があるかというと、そういった用意はされていません。

基本的に禁止されていく一方です。

 

そしてゲームの世界もネット経由で世界中の人と手軽に行えるようになった反面、デメリットも出てきています。

大人がプレーするゲームに接続した場合、子供は大人に比べると下手であり、非効率的な場合が多いです(それだけ自由という意味でもあるのですが)、そうなるとゲームのチャットやメッセージ機能などで非難されたりします。

もはやゲームは子供のものではありません。

昔は一人の世界に入り込んだり、せいぜい2人で協力したり対戦したりしてクローズに楽しむものだったのですが、今や世界中にオープンなものと変わりました。

 

子供のストレス4:将来の見通しが立たない

終身雇用制が崩れ、大手企業も何かあれば潰れてしまったり大幅な人員整理を行ったり、世間は厳しい話題で溢れています。

昔は勉強して良い成績をとり、良い大学へ合格し、大手の会社に入ることができればある程度人生安泰という形で、がんばる理由・勉強する理由がある程度明確でした。

今は勉強して良い会社に入ってもずっとそこに居られる保証はないですし、大きな会社だからと安泰というわけでもありません。

勉強をがんばる意味が見出しにくくなってきています。

 

そんな中で、親は勉強以外にも、身に着けさせよう、将来の役に立つようにと習い事を増やしていくので、負担は増える一方です。

 

子供のストレスまとめ 自分の世界を作る暇もない

ここまでの総合になりますが、現代の子供は自分一人の時間の確保ができず、自分の世界に閉じこもっている余裕もありません。

SNSは無視すれば人間関係に悪影響が出るかもしれないし。

子供が一人で出歩くには日本は物騒になりました。

家でも外でも学校でも様々なルールに縛られます(そしてそのルールは大体大人が決めたもの)

大人が自分の子供の頃を思い出しても何の参考にもならないくらいには子供の生活は変わってしまいました。

そんな中で生活している子供の多くは自覚しないまま息苦しさを感じています。

 

20年前であれば学校が終われば自由でした。

僕は学校の宿題なんてやらなかったし、放課後は好きなメンツとドッチボールをして夕方になったら家に帰って・・・後は家族との時間でした。

今は学校についたか、習い事に到着したかが親のスマホに送信され、宿題についても親同士のSNSのやり取りで共有されてサボれず・・安全の確保という名の管理をされています。

 

さらに学校を出てもクラスメートとのやり取りに忙殺される。

 

僕なら、やってられないというところですが、それを大人が構築してしまったという部分も事実なので、制限の中でいかに子供が自由を謳歌することができるかという面についても検討していく必要がると思います。

夏休み明けに最も学生の自殺者が多いという現状を考えると、学校とその他の生活のバランスなども見直す必要があると思います。

学校自体が負担であったり嫌なのか、学校に行くという負担が大きいのかなど、子供の現状については検討が必要な時期に来ています。