【カルシウムパラドックス】牛乳は体に良いのか悪いのか確認

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カルシウムパラドックスとは

突然ですが

カルシウムパラドックスという言葉をご存知でしょうか?

元々はとある研究で使用された言葉なのですが

現在では

カルシウムを含む食品を摂取すれば理論上

骨が丈夫になるはずなのに、その代表格である

乳製品を多く摂取している北欧の人達に大腿骨の骨折が多い傾向がある

という矛盾など

まさにカルシウム摂取に関連するいくつかの逆説的な内容に使用される言葉に変化してきました。

実はカルシウム関連のいくつかの出来事に対して使用されるのですが、

今回は僕の得意な分野になる点に絞って開設させていただきます。

カルシウムパラドックスの内容

詳細ですが

カルシウムを多く摂取している国については

骨の原料となるカルシウムを摂取が多いのだから

骨は丈夫になるはずという仮説に対し、

カルシウムの摂取が多い国に骨折や骨粗しょう症が多い

という現実があります。

実際に

酪農を主にする国で大腿骨の骨折などが多い点が報告されています。

これに対するWHOの見解として

カルシウムの摂取量よりも

たんぱく質を多く摂取することにより

たんぱく質中のアミノ酸などの酸性の負荷が

骨のカルシウムを流失させ、骨を弱くするというものです。

確かに酪農の盛んな国は乳製品と肉製品はたくさん食べるので

たんぱく質も多く摂っています。

アメリカではたんぱく質を摂取すると、

その酸性を中和するために骨のカルシウム(アルカリ性)を使用するので、

骨は弱くなるという説も出ています。

もう一つのカルシウムパラドックスは

血中のカルシウムが不足した状態になると

人間は恒常性、

維持する働きに従って、

骨からカルシウムを取り出しますが、

この時に血中に余分にカルシウムを取り出してしまうので

血中カルシウムがむしろ高くなってしまう。

これもカルシウムパラドックスと言い

カルシウム不足が血中カルシウムの上昇という結果になるという

逆説の部分になります。

こちらは骨折や骨粗しょう症以外にも様々な病気の原因になります。

余分な血中のカルシウムは血管に溜まってしまい

動脈硬化の原因になりますし、

血管が硬くなるため、高血圧にもつながります。

両方を合わせて分かることは以下の2点になります。

・カルシウムはやっぱり摂取しないといけない

・たんぱく質を多く摂取する場合は対応をしないといけない

対応策

カルシウムを摂取すると骨がもろくなるのではなく

たんぱく質との兼ね合いの方が大事で、理由は酸ということなので

アルカリ性の食品が多い、野菜や里芋などを食べて、少しでも中和していく

という方法や、カルシウムの摂取量自体を増やすなどの工夫が良いと思います。

元凶は乳製品??

実はこのカルシウムパラドックスが騒がれた際に

やはり乳製品が原因ではないかという議論が盛んに行われました。

というか今でもあります。

牛乳を飲むべきかどうか?

という議論などは聞いたことのある人もいるかと思います。

アメリカではむしろ

「白い食品を摂取しない方が良い」という流れすらあります。

代表となるのは精白米・白砂糖・パン・牛乳です。

牛乳以外は精製されているので、必要な成分はそぎ落とされてしまっているという解釈もあります。

この牛乳の部分は少し面白いのでここに書いていきます

個人的には牛乳が体に良いか悪いかはグレーという判断です。

このブログにも何回か書いていますが、

栄養情報は科学の発展と共に変わっていくので、

ずっと正しいということはない為です。

今後この議論がどう転んでいくかは非常に興味深いところではありますが。

これほど次にどんな展開になるか予想もつかないこともない、という意味でも

ありますが・・・

ただ、どうしても「体に悪い!」など強い響きのものは強く印象に残るので

イメージに流されずに自分の体の変化と相談することが一番大切です。

Aさんには合うけどBさんには合わないということは食品に限らず、良くある事なので。

牛乳がなぜ体に悪いと言われるのか?

①乳糖不耐症など、そもそも体に合わない人がいる食品であること。

②当の牛ですら子牛の頃しか飲まないものをなぜ人間が飲み続けるのか

③上記カルシウムパラドックスの理由がカルシウムの摂取だと思われていた。

④乳製品には脂肪も多く含まれるため

①乳糖不耐症など、そもそも体に合わない人がいる食品であること

日本人は牛乳を飲むとお腹が痛くなる、下痢をしてしまう人が少なくありません。

これは乳糖を分解する酵素を持たない人がなる症状です。

つまり、分解できない人が多いものをなぜ飲むのかというそもそも論になります。

本来人が飲むべきものではないからではないかと。

②当の牛ですら子牛の頃しか飲まないものをなぜ人間が飲み続けるのか

牛だって大人になれば草を食べているわけで・・・

そういえばそうだ、と思う反面、反論として弱いとも思うけど、理屈としては分かるし、面白い内容ですね。

③上記カルシウムパラドックスの理由がカルシウムの摂取だと思われていた。

カルシウムを多く摂取する国で骨折が多いんだから体に良くないという話。

これはたんぱく質の影響の他に、北欧人は大腿骨が長いという特徴があることから、長ければ折れやすくもなる、ともは言っていますが、どちらも何とも言えない感じですね。

④乳製品には脂肪も多く含まれるため

これは非常に分かりやすく、アメリカは肥満が社会問題になっているので、脂肪という高エネルギーの摂取は歓迎しないのは至極当然だと思います。

その他

他に抗生物質が投与されているとか色々ありますが、

この辺は商品(質)にもよる部分と、肉や卵にも同様の問題が出てくるので、
牛乳だからという議論には不向きかな、と思うので割愛しています。

カルシウムパラドックスの考え方はそれぞれ

アメリカでは乳製品の摂取は勧めていなくて、

サプリメントで補うという人も少なくありません。

個人的には乳たんぱく質は吸収に時間がかかるという特異性があるので

重宝したい食品ではありますが。

牛乳が体に合わない方や、飲まない方向で行こうと思う方は

カルシウムの摂取源として

小魚・海藻・青菜などを食べると摂取しやすいです。

僕は一時期大根の葉で自家製ふりかけを作って毎日食べていました。

案外毎日カルシウムを摂取するのは乳製品使わないと難しいんですよね。

だから小学校の給食には牛乳がつくことが多くなっています。

日本も近々、カルシウムのサプリメントの一般化が

進むかもしれませんね。