血糖測定が変わる?
点から曲線の把握へ
糖尿病の診断基準や、状態把握の数値として、血糖値やヘモグロビン(Hb)A1cと言った数字が使用されていますが、それぞれに課題もあります。
ですが、最近はその課題を克服できる新しい方法が出てきています。
従来の方法と新しい方法について、簡単に触れていきます。
今までの血糖値測定
測定時の血糖とヘモグロビンA1cで数値を出す事が主なもので、
血糖値は測定時の数字がピンポイントで出るもの
ヘモグロビンA1cは過去1~2ヶ月の血糖のコントロールがどの程度行われていたのかが分かる指数ですが、弱い点があります。
良い点としては
血液検査の前の日だけ食事を抜いて血糖値を低く出そうという、ちょっと悪く言うとズルのようなことが通じないので、長期的な視点での血糖コントロールが見えてきます。
その弱い点はというと
ヘモグロビンのコントロールの幅がつかめないという点です。
①少し高めで日々推移している方と、②低い時は低いものの、高い時には高い(①の最高血糖よりも高い)方についても、それほど差が無い数値が出たり、場合によっては②の方が低い数値が出たりと、要するに、経緯までは分からないという点になります。
ちなみに血糖値は上下差が少ない(安定している)方が基本的には良いですが、それが実はこの2つの数値からでは、点としての情報をつなぎ合わせるしかなく、正確な状態が分からないという課題がありました。
血糖のコントロールとしてインスリンや服薬をしている場合には、もしかしたら低血糖の状態が、どこかで起こっているかもしれなくても、本人に自覚がなければ発覚しません。
そしてそれが一時ある場合には、検査時に分かりやすく数字として出てこなければ、それは表面化しません。
最近では低血糖が認知症のリスクとなり得る可能性が示唆され出していて、この他の様々な疾病意にも関連していると考えられています。
そもそも、低血糖は軽い症状であればめまいや脱力感で済みますが、酷い場合には意識障害など命に係わる問題なので、この部分の精度が上がる事は僕達にとっては非常に良いことです。
まとめていうと
ヘモグロビンA1cは長い期間の血液コントロールの状態が把握できるものの、詳細は分からない、という感じです。
新しい検査 連続的血糖測定システム
これらの欠点を克服したものが、連続的血糖測定システムです。
これは24時間血糖がどのように変動したのかを継続的に測定続けるため、血糖の変動そのものを把握する事ができます。
睡眠中に低血糖を起こしていることがあっても、それすら把握されているため、リスクを抑えることができます。
どんな装置か
名前がゴツイので、体にどんな風につけるのか?
すごいゴテゴテしたものではないのかと、不安になるかもしれませんが。
小さい物になると500円玉くらいの装置を身につけて、データは本体に飛んでいくというbluetooth的なものもあるので、そんなに気にしなくても大丈夫です。
しかも、24時間365日つけるというよりも、短期的に数日間の間身につけて、対象の方の血糖の変化を見ていくというものなので、少しの我慢という感じです。
すでに測定器も3~4種類あり、更に増えていくと思われますが、根本的には24時間の血糖値を追いかける事ができ、どんな時に血糖値がどのような変動を起こしているのかを見る事で、血糖値変動の原因や、どこに働きかけていくかが分かりやすく、本人さえ分からなかったリスクを把握するきっかけにもなるので、今後の糖尿病診断について、新しい風となりそうです。
今までの測定では見逃されていたリスクの発見ができるという面や、インスリンを打った後に、血糖値がどのように変化していくかを目で見て確かめることで、インスリンの量を判断することができるという点でも、有用性については非常に高いと思います。
日本だけでなく、世界中で超尿病の患者は多く、発展途上国も、豊かになるにつれて基本的には糖尿病患者は増える傾向から、今後も全世界的に糖尿病の患者数は増えると考えられますので、こういった医療的な技術の進歩は人類に有用と言えるのではないでしょうか?
実際に糖尿病は受賞化すると命に係わりますからね。