血糖スパイクとは
血糖スパイクというのは、食後に血糖値が急上昇することを言います。
一気に血糖値が跳ね上がり、それをからだが大量のインスリンで慌てて正常に戻すので、短時間だけ高血糖の状態が起こるため、グラフで見ると、血糖値が尖った形で高い状態が出てきます。
このためスパイクという表現が使用されています。
通常の血液検査は空腹時や食後数時間後のものを数字として出すものなので、この「食後すぐの血糖がどのような状態になっているのかは分かりづらく、自分がこの血糖スパイクの状態かどうかを知る方法が「ほぼ無い」というのが現状となっています。
食後1~2時間の血糖値を測定することで、血糖スパイクを発見することができますが、通常この方法を行う事はまずありません。
この血糖スパイクは血管を傷つけることで、突然死や認知症につながると報告されています。
血糖スパイクは身近なもの
以前NHKがこの血糖スパイクに関する番組を放送したことがありました。
この際NHK調査では
健康診断で正常と言われていた働き盛りの世代65人のうち、20人で“血糖値スパイク”が起きていることが判明。また別の調査では、やせ型の20代女性の5人に1人に、“血糖値スパイク”が起きているとしています。
このことからも血糖スパイクは稀有なものではなく、誰にでも起こりうる身近なものであることが分かります。
血糖スパイクは活性酸素を生み出す
血糖スパイクは食後数時間のみ、超高血糖状態になり、その後は通常の血糖値に戻っていきます。
この超高濃度血糖が含まれた血液と、通常の血液が代わる代わる血管を流れることで、血管へのダメージと大量の活性酸素を生み出すことが分かっています。
活性酸素は疲労や老化の原因物質であり、細胞を傷つける物質です。
過剰な活性酸素の発生により、体に様々な悪影響が出てしまいます。
インスリンの過剰分泌による悪影響も
インスリンは人間の体の中で唯一血糖値を下げることができるホルモンです。
食後上がった血糖値は、このインスリンが分泌されることで正常な数字へ戻っていくわけです。
仕組みとしては、過剰な血液中の糖は、インスリンによって脂肪に変わることで血糖値を下げます。
このため、インスリンは重要なホルモンでありながら
「肥満ホルモン」という不名誉な肩書があります。
そして、体内の血糖値が食後一気に跳ね上がると、それを正常に戻す為に、大量のインスリンが分泌されます。
インスリンが大量に分泌される理由としては、このような高血糖状態の他に、体のインスリンの感受性が下がる、つまり、インスリンが効きにくくなり、血糖値が下がりにくくなるため、大量に必要になるケースがあります。
このように理由はそれぞれあれども、食後の血糖の急激な上昇に伴うインスリンの大量分泌はどれも血糖スパイクの状態につながります。
このようなインスリンの大量な分泌は体に悪影響が出ると懸念されています。
アルツハイマー型の痴呆であったり、ガンであったり・・・・
血糖スパイクは直接的な悪影響だけでなく、二次的な影響も懸念さる物となっています。
血糖スパイクを防ぐには
血糖スパイクを予防するためには、血糖値を急激に上げないための工夫が必要です。
血糖スパイク予防1:血糖の低すぎる状態を作らない
血糖値が基本的に食事や間食で摂取した炭水化物(糖質)を摂取することで上昇します。
そして、食後上がった血糖値はインスリンによって正常値に戻るのですが、前の食事から時間が空きすぎてしまうと、血糖値が通常よりも低い状態になります。
この時に炭水化物を摂取すると、体が急激に吸収するため、いつもよりも血糖値の急上昇が激しくなってしまい血糖スパイクを起こしやすくなります。
このため食事と食事の間があまりに長くなってしまう際には途中で軽く栄養摂取をして、血糖値の維持を行うことが望ましいと言えます。
長期間糖質制限を行っていた人が、急に元の食生活に戻ると同じようにインスリンの大量分泌を招きます。
少しずつ炭水化物を増やして、元の量にすることは重要です。
血糖スパイク予防2:食事は炭水化物をできるだけ最後に
血糖値が炭水化物(糖質)を摂取することで上昇します。
逆に言うと、炭水化物を摂取しなければ上がらないとなります。
このため、最初に血糖値を上げない野菜類から食べ始め、次に主菜となる肉や魚を食べて少しずつ血糖値を上げます。
最期に主食となるごはん・パン・麺類を食べることで、血糖値が緩やかに上昇するので、インスリンを一気に大量分泌せずに済みます。
最初に主食から食べ始めると、一気に糖質が吸収されるので、血糖着が急上昇してインスリンは慌てて大量に分泌されます。
血糖値を緩やかに上げることがコツです。
血糖スパイクのリスクと予防 まとめ
血糖スパイクは見つけることが困難です。
そのため、食べる順番などで予防に努めることは重要です。
ちなみに人間が一生のうちに分泌できるインスリン量は決まっているとも言われています。
そして日本人が当てはまるモンゴロイドはこの一生分のインスリン分泌量が、他の人種に比べると少ないという特徴があります。
このことからも、今は健康であってもインスリンを節約するための食生活は身につけておくことが重要だと言えます。