人は自分にとって不都合な情報はカットしてしまう 正常性バイアスについて

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健康におけるバイアス
人間には自己防衛の一環として、
心理学用語で正常性バイアスという
自分に不都合な事実や認識から目を背けてしまう現象があります。
本来は自然災害や事故、社会的な現象に対して使用され、いわゆる
・他人事
・自分には関係ないかのような感覚(対岸の火事)
という認識で起こります。
「自分は大丈夫」という認識のことです。
ただ、健康についてもこの正常性バイアスが働くことは多くあります。
今回は健康についての情報のどんな部分にこの正常性バイアスが働くのかなどを書いていきます。

人にとって不都合な情報とは?

正常性バイアスの本来的な部分である自然災害であれば、
こういった災害が起こった時にどうするか?
という質問をすると、ほとんどの人は、自分が無事である前提で話をするそうです。
地震であれば、家族を探しに行く、職場に連絡を取るなど
無事である場合に何をするのか?
という部分からイメージがされるそうです。
自分がガレキや家具の下敷きになるなど、自分が被害にあった際の事例について検討することができる人はごく少数だという事です。
このため、本来は地震が起こる前からするべき、家の中に倒れにくい家具配置など検討する過程は少ないという実情があり、今後の災害予防の際にはこういった最悪の場面の想定についても検討の必要があります。
社会的な現象でいうと
・テロは日本では絶対に起らない
・移民の問題は日本には関係ない
この様に、いつ自分たちに降りかかってくるか分からないような問題でも、未来永劫自分たちには関係のないことのように思えてしまうのも、またこういったバイアスによるものです。
では、健康情報ではどの様なバイアスがかかるのでしょうか?

健康面でかかる正常性バイアス

そのほとんどは生活習慣や食事習慣に由来するものです。
その習慣が体に悪いと分かっていても、その情報自体をカットしてしまったり、自分は関係ない、あるいは自分は大丈夫という、まったく根拠のない自信などで対処していることがあります。
分かりやすい例を挙げると
・多量の飲酒や喫煙は体に悪いと分かっているがやめられない
これに尽きます。
特に煙草については議論の余地がなく体に悪いものです。
このため、日本でも分煙などは進んでいますが、他の先進諸国からは後れを取っていますが、これは他の先進国が喫煙や副流煙について厳しい考え方をしているためでもあります。
喫煙者は非喫煙者の4倍肺がんになりやすく、咽頭がんは23倍なりやすいなどの様々なデータも開示されています
でも、喫煙者は煙草を吸う際にそんなことまで思考しながら吸ってはいません。
正常性バイアスがかかっている状態です。
そして、知り合いの喫煙者が肺がんになったら
「あの人は運が悪かった」と考えたりします。
自分が肺がんになった時には
「なぜ他の喫煙者は大丈夫なのに自分が・・」と後悔したりします。
でも、その可能性は喫煙者に平等にあるリスクであり、その情報も皆に開示されているわけです。
この様に人は自分に都合の悪い情報については
・それを行っている際には持っている情報をカットしてしまう
・実際に起こった際には運・不運で済ませてしまう
・自分には起こらないと信じている
こういった正常性バイアスを働かせて、自分の行為を正当化してしまいます。

ダイエットなどでも正常性バイアスは起こる

ダイエットも同様です。
本来は摂取カロリー<消費カロリーにすることで痩せるという原理原則は広く理解されている筈なのに
○○だけダイエットのような手軽・簡単で不健康・不確実なダイエットに流されてしまう傾向があります。
こうしてみると、喫煙・飲酒・ダイエットに共通するのは自分の甘さに付け込む思想や思考が正常性バイアスの一部分だという事もできそうです。
自分の今の考えがバイアスのかかっていない状態であるのかは自分一人では分かりにくいので、公正性を持った友人とのディスカッションは非常に有意義な自分の思考の偏りを発見する場となります。

健康における正常性バイアス まとめ

人間は不都合な事実からは目と思考を背けてしまう。
今回はまさにこの部分について書きたいという思いからスタートした記事です。
自分だけは大丈夫
実は僕もこういった、気持ちを無意識に持っているタイミングはあります。
それを、その後、数年後などにふと振り返った時に「後悔」という形で認識します。
目の前の不都合から目を逸らして、後々後悔することは少ないに越したことはないので、様々な思考に触れて、自分の考えと照らし合わせることを恐れずに生きていきたいと思います。