高校野球でのホームラン増加と筋力の関係と、技術の大切さの問題について

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甲子園のホームラン数増加について

今年の高校野球(甲子園)ではホームラン数が過去最多となりました。

その背景について書いていきます。

筋力を鍛え上げられたバッター

背景には、高校球児の体格を見れば分かると思いますが、筋力をかなり鍛えるようになってきたことがあります。

元々高校球児は練習時間が長く、以前から相当鍛えられていたのですが、内容としては技術的なものと持久力に特化されていた部分があります。

そういった内容の練習だと体格は良くならず、むしろヒョロヒョロになります。

それが最近はプロ野球を見ても、4番打者は体格が大きくなってきており、シーズンオフのウエイトトレーニングに重点を置いていることも少なくありません。

ピッチャーでもダルビッシュ選手はウエイトトレーニングの重要性を発信しています。

そういった影響もあって高校年代についてもパワーをつけることが浸透してきていることがホームランの多さに直結してきていると言えます。
そして食事量の重要性も、早稲田の清宮君の生活を見ても大きくなってきていることが分かります。(早稲田はみんな大盛りらしい)

そういったパワーが金属バットという道具との相性が良いのでしょう。

ピッチャーには受難の時代

ピッチャーは道具の恩恵を受けにくいこと、バットの芯を外しても金属バットだと、パワーで押し切られてしまうことがある上に、甲子園という舞台では登板機会が多く、休養する時間も短くなります。

最近は9回まで投げ切らせた上に、連投連投という学校は少なくなりましたが、エースへの負担は現代でも大きいと言わざるを得ません。

ここに打高投低の原因があります。

筋力に頼ったバッターの質の変化

バッターに関しては技巧派が少なくなった印象があります。

強豪校になると、ある程度打球に飛距離がある選手がゴロゴロ出てきていることもあると思いますが、渋いプレーヤーが欲しいと思うのは僕だけではないはず。

とは言っても、今までは動きのあるスポーツでは筋肉は邪魔だとか言われていた過去に比べると、スポーツ全般でウエイトトレーニングの重要性が認識されるのは個人的に良いことだと感じます。

反面で、あまりパワー重視に偏らないようにして欲しいという願望もあります。

日本プロ野球界で活躍する4番バッター
彼らがメジャーリーグに呼ばれることはあまり期待できていません。

理由はもっと長打力のあるアメリカ人はたくさんいるので、無理に日本から連れていく必要はないためです。

それを表すかのように、最近は日本人の野手で、メジャーで活躍している選手は技巧派が多いです。(向こうでは技巧派にならざるを得ないという背景もありますが)
やはりアメリカ人に欠けている部分を補えるということが、需要につながることは否定できません。

そうなると、日本人が目指すべきは同じく技巧派、あるいは技術の高い中距離砲という部分が現実的かと思います。

力だけでなく、技術+力で

これは野球だけではなく他のスポーツでも同様の課題が出ています。
サッカーでも力で対抗することは困難ですし、柔道なども単純な力でぶつかってしまうと日本人の良さを生かしきることはできません。

このバランスを上手く取れるようになると、日本の色々なスポーツ次のステージへ移行できるのではないかと考えています。

力に対して完全に力で対抗するのではなく、基本的な力を身につけつつ、従来(本来)の良さである、細かい部分の技術を生かす。

今の所、日本では力で対抗できるというプレーヤーが重宝されがちですが、世界基準を見据えるのであれば、やはりこういった考え方になるのではないかと思います。

その為にも、食事ではきっちりたんぱく質を摂取して、筋肉を作って欲しいと思います。
高校スポーツを本格的に打ち込むのであればたんぱく質を体重1kgあたり3g摂取しても良いと思いますし。1kgあたり2gは最低限として摂取する必要があると思います。

ただし、消化機能が十分に備わっていない人については無理に食べる事がマイナスになることも多いので、この辺りも個人の特性に配慮した対応が必要になります。

まとめ

・筋力の重要性が認知された反面、それに頼った育成が行われている

・そして単純に筋力だけで育成年代を勝ち抜いても、その上では活躍しにくい

筋力はプロになってからも増やすことができます。

育成年代では勝つための最短ルートとして筋肉に頼るのではなく、きちんと技術との両輪を揃えるようにしていってほしいと思います。