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怪我や風邪といった体調不良時に休んだ方が良い理由
昔から、風邪をひいた時や 怪我をした時には安静にすることの重要性が理解されていました。
実際にどうして活動しない方が良いのかという点などについて今回は書いていきます。
安静とは
基本的に横になって穏やかに過ごすことを意味します。
こうすることで体に負担をかけないことが目的です。
体を動かすと運動にエネルギーなどを持って行かれますが、安静にすることで体の調子を改善する方向に専念することができるため、病気や怪我の治るスピードを早くすることができます。
安静にしないことでのデメリット
まず、単純に治癒に時間がかかります。
風邪などでの体調不良の場合は、免疫機能も弱まっていますので、他の病気をもらいやすくなってしまうという点も注意が必要です。
健康な場合であれば、仕事やその他活動に向けることができるはずのエネルギーが、体調不良を改善するためにも使用されているので、体を動かしにくかったり、脳への血流がいつもほどではないことから注意力が散漫になったり、ボーっとしたりという状態になることから、さらなる怪我や仕事のミスにつながりやすくなります。
日本人は休むことが苦手
僕もそうなので強く言えない部分がありますが、日本人は全体的に体調不良で休むことが苦手です。
他の国であれば、風邪をひいたら「職場に蔓延させてはいけない」とすぐに休んで、次の日に元気に出勤しますが、日本ではマスクをして咳をしながらがんばって仕事をすることが美学だとされる部分が今でも残っています。
更に各部署とも人数ギリギリで仕事をしている場合もそれなりにあることから、お互いに休むことが「迷惑な行為」になってしまうこともあり、休むことが悪いことのように感じられるという仕組みもあると思います。
そして体調の悪いまま、次の休みまで頑張って、休日に寝込んで何とか治す・・・
あるいは本当に体調が悪くなってから数日休んだり、入院したり。
効率で考えれば、明らかに少し体調が悪いと感じた時に1~2日休んでしまう方が良いのはたぶんみんな分かっていると思っているのですが。
これは仕事をする人だけの悩みではなくてスポーツをする少年少女にも同様のことが言えます。
「1日休むと取り戻すのに3日かかる」という迷信がありますが、これは全くのウソで、1週間に数日の休みはあった方が、パフォーマンスと運動効果が高いことはすでに分かっています。
良い状態で練習することと、最初から疲れ切っている状態で日々行われるトレーニング
どちらが効果的かは考えるまでもないことです。
そして、更なる問題は風邪や怪我での休みにくさです。
休んでしまうとレギュラーになれない
他の子に差をつけられてしまう
こういったネガティブな部分があります。
でも、プロスポーツを見ても、能力的にレギュラーであれば、怪我明けでも試合に使われます。
少年少女の行うスポーツは更に、勝利至上主義ではいけないということになっていますから、怪我で休んでいたというだけで治った後も使わないというのはおかしな話で、そういうチームであるなら他に移った方が上達もするし、正しい社会性も身につきます。
成長期前や成長期真っ最中の子供に怪我や病気を押して練習を強要させることはマイナスの効果しかありません。
怪我をしているのに休まない弊害
怪我で安静に過ごすと確かにスタミナという点での体力は落ちていきます。
これについては怪我の状態が良くなってきたら少しずつそれに合った負荷の運動で体力をつけていくことで、復帰後比較的早く中通常の練習に戻ることができるようにすることが望ましいです。
焦ってしまうと、回復前に再度怪我をしてしまったり、改善した状態が後退してしまったり、痛みのある個所をかばうことで、他の部位に負担がかかり、違う箇所の故障につながることすらありますので、焦りは禁物です。
休まない弊害:間違えたスキル、体の使い方を覚えてしまう
痛みのある場所を庇って体を動かすので、正しいフォームではなく、痛くないことを優先したフォームになってしまい、体のバランスを崩します。
怪我の完治後も癖はなかなか抜けないので、スランプなどに陥りがちです。
筋肉は比較的戻りやすい
落ちた筋肉についてはマッスルメモリーによって比較的早く以前の状態に戻ることができるので心配しすぎないことも大切です。
その中で、まったく痛みのない部分を以前よりパワーアップさせるなど、違う視点での取り組みを行うことも、焦りを抑えるなど、メンタル面で効果的です。
休む、安静にすることの重要性まとめ
体調不良や怪我の時に頑張って仕事やスポーツを行うことは美談になりがちですが、一歩間違えれば、それは深刻な状態の悪化にもつながります。
平均寿命も延びましたが、若い時の深刻な怪我で、引退後に歩行などに支障の出るケースもたくさんあります。
病気もただの風邪だと思って無理をしていたら、もっと深刻な病気で、気が付いたら酷い状態で、長期の入院が必要になったりということもあります。
みんながきちんと休むべき時に休むということの必要性を感じられたらと思います。