日本は畜産物の栄養価と動物福祉の理解が低い?
東京オリンピック招致により、様々な課題が噴出してきています。
問題点が多いのは残念ではありますが、これまで目立たなかった部分で「国際基準比べて質が低い」部分が表面化されてきていると考えると、ここで手を打つことで前進できるという意味でもあります。
今回はそんなオリンピック関連から
日本で使用する食材(畜産物)についてNOが突きつけられたという話題について書いていきます。
日本の食材の栄養価が低い?
今回は特に畜産物関連の話題について問題とされています。
すでに欧州などでは、家畜にストレスのかかりにくい環境を整えることで肉の質や栄養価が高まるという理解がされています。
実際に卵に関しては放し飼いに近い環境の鶏の方が栄養価の高い卵を産むため、世界のスタンダードとしてケージに閉じ込めるということがなくなってきています。
それに対して日本は今でも狭いケージに閉じ込めて飼育をしているため、鶏のストレスが高く、質の良い卵が手に入らない。
こういった点について危惧しているアスリートが多いので、問題提起されています。
実際にロンドンやリオについても、オリンピック招致を機会にケージフリーの採用などを行っています。
背後には動物福祉への理解の低さが
今回問題提起された理由のひとつに
栄養価が低い
ということはすでに書きましたが
そもそもこういった点が表面化した理由として
「日本の家畜に対する動物福祉(アニマルウェルフェア)の観点が低い」
このレベルが非常に低いという所から、動物愛護の団体などから声が上がったと言う面もあります。
世界的には動物愛護法は家畜にも適用されるのですが、日本では対象外のように扱われているというところがこういった団体が声を上げている点です。
家畜は人間に食べ物を提供してくれる存在なのだから大切に扱うべきという考え方は確かに僕もあまり強く考えたことのない部分でした。
世界との差についてはこういった団体がしっかり意見を出しているページがありましたが、様々な力関係からか現在は削除されています。
http://www.arcj.org/tokyoolympiccruelty/JP/
ここで初めて知ることも多く、こういった世界のスタンダードを知るという点でオリンピックは価値があるのかも知れません。
実際に栄養価(品質)が低くなる理由
ここまでで、家畜に強いストレスがかかることが栄養面でも悪影響が出ることは書いてきましたが。
他にも栄養に関わる点はまだまだ理解されていない部分があります。
例えば
グラスフェッドビーフという言葉があります。
これは牧草を食べて育った牛という意味です。
「元々牛って牧草を食べるものでしょ?」と思うかもしれません。
でも、グラスフェッドビーフがありがたがられる時点でお察し下さいというところになっています。
実際には穀物などを混ぜたエサを狭い牛舎に閉じ込められて食べています。
これは穀物の方が安く手に入るからです。
こういった質の低いエサを食べて体だけ大きくした肉、その牛から出た牛乳・乳製品が流通しています。
この様に食事・住環境について劣悪な環境であることは栄養価うんぬんという以前の問題と指摘されるのも仕方のない気もしてきます。
食品の品質改善は困難
では、簡単にケージを取り払ってしまおう
放牧しておこう
というわけにもいかない事情があります。
日本はなんといっても国土が狭いので、たくさんの土地を確保することが困難です。
エサについても安価で済むからそういったものを使用しているという背景もあるので、それを生業にしている人たちの生活を脅かす可能性もあります。
反面可能性として、こういった質の高い家畜を扱うことで、その商品自体をブランド化することは可能なので、
購入する僕らが安さよりも質の高さや動物愛護の視点を持つことの方が実は大切なのかもしれません。
日本の食品、動物福祉は低品質 まとめ
今回はオリンピアンが、日本でオリンピック時に調達する食材のレベルが低いという点について指摘したことに端を発しています。
世界的に活躍するアスリートはこのように自分の体に取り込むものについては非常に神経を使っているということが分かります。
こういった意識の高さと動物福祉に対する理解を高めることで、日本の畜産物が今後良い方向に向かうのかどうかが分かれるかもしれません。